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マンション管理は倫理的に

築60年マンションは住み続けられるのか

築60年。

この数字を聞いて、皆さんはどのような印象を持つでしょうか。

「かなり古い」

「もう限界ではないか」

「建替えが必要なのではないか」

そのように考える方も多いと思います。

実際、築60年という年数は人間で言えば高齢期にあたります。

マンションも相当な年月を経ています。

しかし、築60年だから住めないのではありません。

問題は、どのような管理が行われてきたかです。

今回は「築60年マンションは住み続けられるのか」というテーマについて考えてみたいと思います。

 

築60年は珍しい時代ではなくなる

現在、日本では高経年マンションが急増しています。

1970年代前後に建設されたマンションは、今後次々と築60年を迎えます。

これまでは、

築30年が古いマンション

築40年が高経年マンション

と言われていました。

しかし今後は築60年マンションが特別ではなくなる時代がやってきます。

つまり、

築60年でも住み続けられるか

という問いは、多くのマンションに共通する課題になるのです。

建物は本当に60年で寿命を迎えるのか

よく誤解されますが、マンションの寿命は築年数だけでは決まりません。

鉄筋コンクリート造の建物は、適切な維持管理が行われれば100年近く使用できる可能性があります。

実際に、

外壁改修

屋上防水

鉄部塗装

給排水管更新

設備更新

などを計画的に行えば、建物の機能は維持できます。

つまり、

築60年=危険

ではありません。

重要なのは、その60年間で何をしてきたかです。

最大の問題は設備の老朽化

築60年マンションで最も大きな課題は設備です。

建物本体よりも先に設備が限界を迎えます。

例えば、

給水管

排水管

電気設備

エレベーター

消防設備

玄関扉

窓サッシ

インターホン

などです。

これらは交換が必要になります。

問題は、

交換しているか

交換する資金があるか

です。

設備更新が適切に行われていれば、住み続けることは十分可能です。

修繕積立金が未来を左右する

築60年マンションでは、お金の問題が極めて重要になります。

若い頃は少額だった修繕積立金も、長期的には大きな差になります。

適切な積立を続けてきたマンションは、

大規模修繕

設備更新

耐震補強

を実施できます。

一方で積立不足のマンションは、

必要な工事を先送り

応急処置のみ

資産価値低下

という状況に陥ります。

築60年を迎える頃には、その差がはっきり表れるのです。

耐震性という課題

築60年マンションを語る上で避けられないのが耐震性です。

1981年以前の旧耐震基準で建てられたマンションも多く存在します。

もちろん旧耐震だから危険というわけではありません。

しかし、

耐震診断

耐震補強

が行われているかどうかは重要です。

住み続けるためには、安全性の確保が大前提になります。

建物よりも深刻な住民の高齢化

実は築60年マンション最大の問題は建物ではありません。

住民の高齢化です。

築60年前後のマンションでは、

入居当初30代だった人は90代近くになります。

40代だった人は100歳前後です。

その結果、

理事のなり手不足

総会参加率低下

コミュニティの弱体化

が起こります。

建物を維持する人がいなくなる。

これこそが大きなリスクなのです。

空室と相続問題

築60年マンションでは空室問題も深刻化します。

所有者が亡くなる。

相続人が遠方に住む。

売却できない。

賃貸も難しい。

その結果、

空室増加

所有者不明住戸

管理費滞納

が発生します。

管理組合の運営はさらに厳しくなります。

建替えは現実的なのか

築60年になると建替えの議論も出てきます。

しかし現実には簡単ではありません。

建替えには、

高い合意形成

多額の費用

事業採算性

が必要です。

特に地方や郊外では事業性が成立しないケースもあります。

そのため、

建替えしか道がないわけではありません。

むしろ今後は、

再生しながら使い続けるという選択肢が増えるでしょう。

築60年でも元気なマンションの共通点

私が見てきた中で、築年数以上に重要だと感じることがあります。

それは管理組合の力です。

元気な高経年マンションには共通点があります。

・長期修繕計画がある

・積立金が確保されている

・理事会が機能している

・住民同士のコミュニケーションがある

・将来について議論している

築60年でも活力のあるマンションは存在します。

その違いは管理力なのです。

住み続けられるかではなく、住み続けられる状態を作る

私は、

「築60年マンションは住み続けられるのか」

という問いに対して、

「住み続けられる状態を作れるか」

が正しい問いだと思っています。

建物は管理できます。

設備も更新できます。

しかし無関心や先送りは解決できません。

住民が将来を考え、

必要な投資を行い、

管理組合を維持する。

それができれば築60年でも十分住み続けることは可能です。

まとめ

築60年マンションだからといって、すぐに住めなくなるわけではありません。

むしろ重要なのは、

・適切な修繕が行われているか
・設備更新が進んでいるか
・修繕積立金が確保されているか
・耐震性が確保されているか
・管理組合が機能しているか

です。

これからの日本では、築60年マンションは珍しい存在ではなくなります。

その中で価値を維持できるマンションと、管理不全に陥るマンションの差はますます広がるでしょう。

未来を決めるのは築年数ではありません。

管理です。

築60年マンションが住み続けられるかどうかは、過去60年間の管理と、これからの管理にかかっているのです。

 

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