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マンション標準管理規約(団地型) 第8章 棟総会

この団地型標準管理規約が対象としているのは、一般分譲の住居専用のマンションが数棟所在する団地型マンションで、団地内の土地及び集会所等の附属施設がその数棟の区分所有者(団地建物所有者)全員の共有となっているものである。

 

国土交通省は、平成30年3月に、標準管理規約(団地型)の一部を改正した。この改正は、マンション敷地売却を活用した団地型マンションの再生の仕組みの構築にあたり、マンション建替法規則他の改正にあわせて、団地管理組合等におけるマンション敷地売却の検討に係る費用の拠出を認めること等について団地型の規定(修繕積立金、総会等関連)を見直したのもである。

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マンション標準管理規約(団地型)

第8章 棟総会

 

 

第六十八条(棟総会)


(棟総会)
第68条 棟総会は、区分所有法第3条の集会とし○○団地内の棟ごとに、その棟の区分所有者全員で組織する。


2 棟総会は、その棟の区分所有者が当該棟の区分所有者総数の5分の1以上及び第71条第1項に定める議決権総数の5分の1以上に当たる区分所有者の同意を得て、招集する。


〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕


(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合


3 棟総会の議長は、棟総会に出席した区分所有者(書面又は代理人によって議決権を行使する者を含む。)の議決権の過半数をもって、当該棟の区分所有者の中から選任する。


(イ)電磁的方法が利用可能な場合


3 棟総会の議長は、棟総会に出席した区分所有者(書面、電磁的方法又 は代理人によって議決権を行使する者を含む。)の議決権の過半数をもって、当該棟の区分所有者の中から選任する。

 

コメント

第68条関係
1 この団地型標準管理規約では、区分所有法で各棟ごとに適用されることとなっている事項についても、一覧性を確保する観点から、各棟固有の事項について意思決定を行うことが必要になった場合の棟総会について、本条から第75条において規定したものである。
なお、第69条及び第74条については、団地総会に関する第45条関係及び第51条関係のコメントを参考にする。


2 棟総会に関する管理規約の変更は、棟総会のみで議決できる。各棟によって棟総会に関する管理規約に差異が生じた場合は、第8章を団地管理規約から分離し、各棟の規約を別に定めることが望ましい。


3 各棟においては、日常的な管理は行わず、管理者は選任しないことから、棟総会は、区分所有法第34条第5項の規定に基づき、招集することとしている。


4 事前に棟総会を招集する場合の世話人的な役割の人を決めておくことが望ましい。世話人は、当該棟より選任された団地管理組合の役員が兼ねることも考えられるし、理事とは別の区分所有者に定めることも考えられる。

 

第六十九条(招集手続)


(招集手続)
第69条 棟総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の2週間前(会議の目的が建替え決議又はマンション敷地売却決議であるときは2か月 前)までに、会議の日時、場所、目的及び議案の要領を示して、当該棟の 区分所有者に通知を発しなければならない。

2 前項の通知は、管理組合に区分所有者が届出をしたあて先に発するものとする。ただし、その届出のない区分所有者に対しては、対象物件内の専有部分の所在地あてに発するものとする。


3 第1項の通知は、対象物件内に居住する区分所有者及び前項の届出のない区分所有者に対しては、その内容を所定の掲示場所に掲示することをもって、これに代えることができる。


4 会議の目的が建替え決議であるときは、次の事項を通知しなければならない。

一 建替えを必要とする理由

二 建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持及び回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及びその内訳

三 建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容

四 建物につき各棟修繕積立金として積み立てられている金額


5 会議の目的がマンション敷地売却決議であるときは、次の事項を通知しなければならない。

一 売却を必要とする理由

二 建築物の耐震改修の促進に関する法律(平成7年法律第123号)第2条第2項に規定する耐震改修(以下単に「耐震改修」という。)又はマンションの建替えをしない理由

三 耐震改修に要する費用の概算額


6 建替え決議又はマンション敷地売却決議を目的とする棟総会を招集する場合、少なくとも会議を開く日の1か月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について区分所有者に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。


7 第70条の場合には、第1項の通知を発した後遅滞なく、その通知の内容を、所定の掲示場所に掲示しなければならない。


8 第1項(会議の目的が建替え決議又はマンション敷地売却決議であるときを除く。)にかかわらず、緊急を要する場合には、棟総会を招集する者は、その棟の区分所有者総数の5分の1以上及び第71条第1項に定める議決権総数の5分の1以上に当たる当該棟の区分所有者の同意を得て、5 日間を下回らない範囲において、第1項の期間を短縮することができる。

 

第七十条(出席資格)


(出席資格)
第70条 区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的につき利害関係を有する場合には、棟総会に出席して意見を述べることができる。この場合において、棟総会に出席して意見を述べようとする者は、あらかじめ棟総会を招集する者にその旨を通知しなければならない。

第七十一条(議決権)

 

(議決権)
第71条 各区分所有者の棟総会における議決権の割合は、別表第5に掲げるとおりとする。


2 住戸1戸が数人の共有に属する場合、その議決権行使については、これらの共有者をあわせて一の区分所有者とみなす。


3 前項により一の区分所有者とみなされる者は、議決権を行使する者1名を選任し、その者の氏名をあらかじめ棟総会開会までに棟総会を招集する者に届け出なければならない。


4 区分所有者は、書面又は代理人によって議決権を行使することができる。


5 区分所有者が代理人により議決権を行使しようとする場合において、その代理人は、以下の各号に掲げる者でなければならない。

一 その区分所有者の配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)又は一親等の親族

二 その区分所有者の住戸に同居する親族

三 他の区分所有者


6 区分所有者又は代理人は、代理権を証する書面を棟総会を招集する者に 提出しなければならない。


〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕

 

(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合


(規定なし)


(イ)電磁的方法が利用可能な場合


7 区分所有者は、第4項の書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によって議決権を行使することができる。

 

コメント

第71条関係
1 棟総会における議決権については、棟の共用部分の共有持分の割合、あるいはそれを基礎としつつ賛否を算定しやすい数字に直した割合によるこ
とが適当である。


2 各住戸の面積があまり異ならない場合には、住戸1戸につき各1個の議決権により対応することも可能である。 また、住戸の数を基準とする議決権と専有面積を基準とする議決権を併用することにより対応することも可能である。


3 特定の者について利害関係が及ぶような事項を決議する場合には、その特定の少数者の意見が反映されるよう留意する。


4 代理人は、区分所有者の意思が棟総会に適切に反映されるよう、区分所有者の立場から見て利害関係が一致すると考えられる者に限定することが 望ましい。第5項は、この観点から、区分所有者が代理人によって議決権を行使する場合の代理人の範囲について規約に定めることとした場合の規定例である。また、棟総会の円滑な運営を図る観点から、代理人の欠格事由として暴力団員等を規約に定めておくことも考えられる。なお、成年後見人、財産管理人等の区分所有者の法定代理人については、法律上本人に 代わって行為を行うことが予定されているものであり、当然に議決権の代理行使をする者の範囲に含まれる。

 

第七十二条(議決事項)


(議決事項)
第72条 次の各号に掲げる事項については、棟総会の決議を経なければならない。

一 区分所有法で団地関係に準用されていない規定に定める事項に係る規約の制定、変更又は廃止

二 区分所有法第57条第2項、第58条第1項、第59条第1項又は第60条第1項の訴えの提起及びこれらの訴えを提起すべき者の選任

三 建物の一部が滅失した場合の滅失した棟の共用部分の復旧

四 建替え等に係る合意形成に必要となる事項の調査の実施及びその経費に充当する場合の各棟修繕積立金の取崩し 

五 区分所有法第62条第1項の場合の建替え及び円滑化法第108条第1項の場合のマンション敷地売却

六 区分所有法第69条第7項の建物の建替えを団地内の他の建物の建替えと一括して建替え承認決議に付すこと

 

コメント

72条関係
1 棟総会の議決事項については、団地総会の議決事項とすることはできない。


2 棟総会の議決事項は、団地全体や他の棟に影響を及ぼすことも考えられるので、計画段階において他の棟の意見を取り入れるといった方法や棟総会で決定する前に理事会又は団地総会等に報告するといった方法で、団地全体の理解を得る努力をすることが適当である。


3 特に、団地型マンションにおいて円滑化法第108条第1項の場合のマンション敷地売却決議を行う場合は、マンション敷地売却決議は各棟において棟総会で行うものの、決議内容及びその他の手続きについては全棟での一体性が必要となるため、平成30年の円滑化法施行規則の改正を踏まえ改訂された「耐震性不足のマンションに係るマンション敷地売却ガイドライン」(平成26年12月国土交通省公表)を参考に、団地全体での合意形成を図ることが重要である。


4 各棟修繕積立金の取崩しは、基本的に、団地総会の決議を経なければならないと規定している(第50条第六号及び第七号)が、各棟の建替え等に係る合意形成に必要となる事項の調査の実施経費に充当するための取崩しのみは、団地総会の決議ではなく、棟総会の決議を経なければならないと規定している。

 

第七十三条(棟総会の会議及び議事)


(棟総会の会議及び議事)
第73条 棟総会の議事は、その棟の区分所有者総数の4分の3以上及び第71条第1項に定める議決権総数の4分の3以上で決する。


2 次の各号に掲げる事項に関する棟総会の議事は、前項にかかわらず、議決権総数の半数以上を有する区分所有者が出席する会議において、出席区分所有者の議決権の過半数で決する。

一 区分所有法第57条第2項の訴えの提起及び前条第二号の訴えを提起すべき者の選任

二 建物の価格の2分の1以下に相当する部分が滅失した場合の滅失した棟の共用部分の復旧

三 建替え等に係る合意形成に必要となる事項の調査の実施及びその経費に充当する場合の各棟修繕積立金の取崩し


3 建替え決議及び前条第六号の団地内の他の建物の建替えと一括して建替え承認決議に付する旨の決は、第1項にかかわらず、その棟の区分所有者総数の5分の4以上及び議決権総数の5分の4以上で行う。


4 マンション敷地売却決議は、第1項にかかわらず、その棟の区分所有者総数、議決権総数及び敷地利用権の持分の価格の各5分の4以上で行う。


〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕


(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合


5 前4項の場合において、書面又は代理人によって議決権を行使する者は、出席区分所有者とみなす。


(イ)電磁的方法が利用可能な場合


5 前4項の場合において、書面、電磁的方法又は代理人によって議決権を行使する者は、出席区分所有者とみなす。


6 前条第一号において、規約の制定、変更又は廃止がその棟の一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。この場合において、その区分所有者は正当な理由がなければこれを拒否してはならない。


7 区分所有法第58条第1項、第59条第1項又は第60条第1項の訴えの提起の決議を行うには、あらかじめ当該区分所有者又は占有者に対し、 弁明する機会を与えなければならない。


8 棟総会においては、第69条第1項によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議することができる。

 

コメント

第73条関係

マンション敷地売却決議の賛否は、売渡し請求の相手方になるかならないかに関係することから、賛成者、反対者が明確にわかるよう決議することが必要である。なお、第4項の決議要件については、法定の要件を確認的に規定したものである。

 

第七十四条(議事録の作成、保管等)


〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕


(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合


(議事録の作成、保管等)
第74条 棟総会の議事については、議長は、議事録を作成しなければならない。


2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の棟総会に出席した区分所有者がこれに署名押印しなければならない。


3 議長は、前項の手続きをした後遅滞なく、議事録を理事長に引き渡さなければならない。


4 理事長は、議事録を保管し、その棟の区分所有者又は利害関係人の書面による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定する ことができる。


5 理事長は、所定の掲示場所に、議事録の保管場所を掲示しなければならない。

 

(イ)電磁的方法が利用可能な場合


(議事録の作成、保管等)
第74条 棟総会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。


2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。

 

3 前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長 及び議長の指名する2名の棟総会に出席した区分所有者がこれに署名 押印しなければならない。


4 第2項の場合において、議事録が電磁的記録で作成されているとき は、当該電磁的記録に記録された情報については、議長及び議長の指名する2名の棟総会に出席した区分所有者が電子署名をしなければならない。


5 議長は、前項の手続きをした後遅滞なく、議事録を理事長に引き渡さなければならない。


6 理事長は、議事録を保管し、その棟の区分所有者又は利害関係人の 書面又は電磁的方法による請求があったときは、議事録の閲覧(第5 1条第5項の閲覧をいう。)をさせなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。


7 理事長は、所定の掲示場所に、議事録の保管場所を掲示しなければならない。

 

第七十五条(書面による決議)

 

〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕


(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合


(書面による決議)
第75条 規約により棟総会において決議をすべき場合において、その棟の区分所有者全員の承諾があるときは、書面による決議をすることができる。


2 規約により棟総会において決議すべきものとされた事項については、その区分所有者全員の書面による合意があったときは、書面による決議があったものとみなす。


3 規約により棟総会において決議すべきものとされた事項についての書面による決議は、棟総会の決議と同一の効力を有する。


4 前条第3項から第5項の規定は、書面による決議に係る書面について準用する。


5 棟総会に関する規定は、書面による決議について準用する。

 

(イ)電磁的方法が利用可能な場合


(書面又は電磁的方法による決議)
第75条 規約により棟総会において決議をすべき場合において、その棟の区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすることができる。ただし、電磁的方法による決議に係るその棟の区分所有者の承諾については、あらかじめ、その棟の区分所有者に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容(第52条第2項に掲げる事項をいう。)を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。


2 規約により棟総会において決議すべきものとされた事項について は、その棟の区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があったときは、書面又は電磁的方法による決議があったものとみなす。


3 規約により棟総会において決議すべきものとされた事項についての 書面又は電磁的方法による決議は、棟総会の決議と同一の効力を有する。


4 前条第5項から第7項の規定は、書面又は電磁的方法による決議に 係る書面並びに第1項及び第2項の電磁的方法が行われた場合に当該 電磁的方法により作成される電磁的記録について準用する。


5 棟総会に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する。

第七十六条(義務違反者に対する措置)

 

(義務違反者に対する措置)
第76条 区分所有者又は占有者が建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、区分所有法第57条から第60条までの規定に基づき必要な措置をとることができる。

 

コメント

第76条関係

区分所有法第57条から第60条までの規定は、団地関係に準用されていないことから、これらの措置は各棟ごとに実施することとなる。棟総会を招集する場合(コメント第68条関係4参照)と同様に、義務違反者に対する措置を実施する場合についても、世話人的な役割の人を決めておくこ が望ましい。

 

 

出典:国土交通省ホームページ (http://www.mlit.go.jp/) 

「標準管理規約(団地型)及び同コメント (PDF)(最終改正 平成30年3月30日 国住マ第60号)」(国土交通省) (http://www.mlit.go.jp/common/001228580.pdf)を加工して作成

 

参考文献

公益財団法人 マンション管理センター.平成30年度版 マンション管理の知識.(株)住宅新報出版,2018,978p

高橋文雄 .2018年度版 これだけ!マンション管理士 試験対策ノート.(株)建築資料研究社,2018,513p