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マンション標準管理規約(団地型) 第6章 管理組合 第4節 団地総会

この団地型標準管理規約が対象としているのは、一般分譲の住居専用のマンションが数棟所在する団地型マンションで、団地内の土地及び集会所等の附属施設がその数棟の区分所有者(団地建物所有者)全員の共有となっているものである。

 

国土交通省は、平成30年3月に、標準管理規約(団地型)の一部を改正した。この改正は、マンション敷地売却を活用した団地型マンションの再生の仕組みの構築にあたり、マンション建替法規則他の改正にあわせて、団地管理組合等におけるマンション敷地売却の検討に係る費用の拠出を認めること等について団地型の規定(修繕積立金、総会等関連)を見直したのもである。

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マンション標準管理規約(団地型)

第6章 管理組合

第4節 団地総会

 

 

第四十四条(団地総会)


(団地総会)
第44条 管理組合の団地総会は、総組合員で組織する。


2 団地総会は、通常総会及び臨時総会とする。


3 理事長は、通常総会を、毎年1回新会計年度開始以後2か月以内に招集しなければならない。


4 理事長は、必要と認める場合には、理事会の決議を経て、いつでも臨時総会を招集することができる。


5 団地総会の議長は、理事長が務める。

 

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第44条関係 (第5項関係)
団地総会において、議長を選任する旨の定めをすることもできる。

 

第四十五条(招集手続)


(招集手続)
第45条 団地総会を招集するには、少なくとも会議を開く日の2週間前(会議の目的が区分所有法第69条第1項の建替え承認決議(以下「建替 え承認決議」という。)又は一括建替え決議であるときは2か月前)まで に、会議の日時、場所及び目的を示して、組合員に通知を発しなければならない。


2 前項の通知は、管理組合に対し組合員が届出をしたあて先に発するものとする。ただし、その届出のない組合員に対しては、対象物件内の専有部分の所在地あてに発するものとする。


3 第1項の通知は、対象物件内に居住する組合員及び前項の届出のない組合員に対しては、その内容を所定の掲示場所に掲示することをもって、これに代えることができる。


4 第1項の通知をする場合において、会議の目的が第49条第3項第一 号、第二号に掲げる事項の決議、建替え承認決議又は一括建替え決議であるときは、その議案の要領をも通知しなければならない。


5 会議の目的が建替え承認決議であるときは、前項に定める議案の要領のほか、新たに建築する建物の設計の概要(当該建物の当該団地内における位置を含む。)を通知しなければならない。


6 会議の目的が一括建替え決議であるときは、第4項に定める議案の要領のほか、次の事項を通知しなければならない。

一 建替えを必要とする理由

二 建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持及び回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及びその内訳

三 建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容

四 建物につき団地修繕積立金及び各棟修繕積立金として積み立てられている金額


7 一括建替え決議を目的とする総会を招集する場合、少なくとも会議を開く日の1か月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について組合員に対し説明を行うための説明会を開催しなければならない。


8 第47条第2項の場合には、第1項の通知を発した後遅滞なく、その通知の内容を、所定の掲示場所に掲示しなければならない。


9 第1項(会議の目的が建替え承認決議又は一括建替え決議であるときを 除く。)にかかわらず、緊急を要する場合には、理事長は、理事会の承認 を得て、5日間を下回らない範囲において、第1項の期間を短縮することができる。

 

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第45条関係
1 会議の目的が建替え承認決議又は一括建替え決議である団地総会を招集するに当たっては、決議時の議決権割合が、それぞれ第49条第4項又は同条第7項に定めるように、第48条第1項の定めとは異なることを事前に周知することが重要である。


(第3項、第8項関係)
2 所定の掲示場所は、建物内の見やすい場所に設けるものとする。以下同じ。

 

第四十六条(組合員の団地総会招集権)


(組合員の団地総会招集権)
第46条 組合員が組合員総数の5分の1以上及び第48条第1項に定める議決権総数の5分の1以上に当たる組合員の同意を得て、会議の目的を示 して団地総会の招集を請求した場合には、理事長は、2週間以内にその請求があった日から4週間以内の日(会議の目的が建替え承認決議又は一括建替え決議であるときは、2か月と2週間以内の日)を会日とする臨時総会の招集の通知を発しなければならない。


2 理事長が前項の通知を発しない場合には、前項の請求をした組合員は、臨時総会を招集することができる。


〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕

 

(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合


3 前2項により招集された臨時総会においては、第44条第5項にかか わらず、議長は、団地総会に出席した組合員(書面又は代理人によって 議決権を行使する者を含む。)の議決権の過半数をもって、組合員の中から選任する。


(イ)電磁的方法が利用可能な場合


3 前2項により招集された臨時総会においては、第44条第5項にかか わらず、議長は、団地総会に出席した組合員(書面、電磁的方法(電子 情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって次項に定めるものをいう。以下同じ。)又は代理人によって議決権を行使する者を含む。)の議決権の過半数をもって、組合員の中から選任する。


4 前項の電磁的方法は、次に掲げる方法によるものとする。

一 送信者の使用に係る電子計算機と受信者の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織を使用する方法であって、当該電気通信回線を通じて情報が送信され、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該情報が記録されるもの

二 磁気ディスクその他これに準ずる方法により一定の情報を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに情報を記録したもの(以下「電磁的記録」という。)を交付する方法

 

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第46条関係
1 電磁的方法による議決権行使の具体例には、電子メールの送信やウェブサイト(ホームページ)への書込みの利用、フロッピーディスクやCD-ROMの交付による方法等がある。

2 電磁的方法の一部のみ利用可能な管理組合は、電磁的方法の利用状況に応じた規約を制定することが望ましい。例えば、電子メールの送受信やウ ェブサイト(ホームページ)への書込みは利用できないが、フロッピーデ ィスクに記録されている内容の読込み及び表示は可能な場合、第46条に おいて(イ)を選択した上で第46条第4項第一号は規定しないことが望 ましい。

 

第四十七条(出席資格)


(出席資格)
第47条 組合員のほか、理事会が必要と認めた者は、団地総会に出席することができる。


2 団地建物所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的につき利害関係を有する場合には、団地総会に出席して意見を述べることができる。この場合において、団地総会に出席して意見を述べようとする者は、あらかじめ理事長にその旨を通知しなければならない。

 

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第47条関係

理事会が必要と認める者の例としては、マンション管理業者、管理員、マンション管理士等がある。

 

第四十八条(議決権)


(議決権)
第48条 各組合員の団地総会における議決権の割合は、別表第5に掲げるとおりとする。


2 住戸1戸が数人の共有に属する場合、その議決権行使については、これら共有者をあわせて一の組合員とみなす。


3 前項により一の組合員とみなされる者は、議決権を行使する者1名を選任し、その者の氏名をあらかじめ団地総会開会までに理事長に届け出なければならない。


4 組合員は、書面又は代理人によって議決権を行使することができる。

 

5 組合員が代理人により議決権を行使しようとする場合において、その代理人は、以下の各号に掲げる者でなければならない。

一 その組合員の配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)又は一親等の親族

二 その組合員の住戸に同居する親族

三 他の組合員


6 組合員又は代理人は、代理権を証する書面を理事長に提出しなければならない。

〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕

 

(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合


(規定なし)


(イ)電磁的方法が利用可能な場合


7 組合員は、第4項の書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法によって議決権を行使することができる。

 

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第48条関係
1 議決権については、土地の共有持分の割合、あるいはそれを基礎としつつ賛否を算定しやすい数字に直した割合によることが適当である。 

2 各住戸の面積があまり異ならない場合は、住戸1戸につき各1個の議決権により対応することも可能である。
また、住戸の数を基準とする議決権と専有面積を基準とする議決権を併用することにより対応することも可能である。

3 1の土地の共有持分の割合は、第10条コメント1によれば、専有部分の床面積が基準となっており、この点、単棟型の議決権割合(共用部分の共有持分の割合)も同様である。したがって、単棟型と同様、団地においても、1や2の方法による議決権割合の設定は、各住戸が比較的均質である場合には妥当であるものの、高層階と低層階での眺望等の違いにより住戸の価値に大きな差が出る場合もあることのほか、民法第252条本文が共有物の管理に関する事項につき各共有者の持分の価格の過半数で決すると 規定していることに照らして、新たに建てられるマンションの議決権割合について、より適合的な選択肢を示す必要があると考えられる。これにより、特に、大規模な改修や建替え等を行う旨を決定する場合、建替え前のマンションの専有部分の価値等を考慮して建替え後の再建マンションの専有部分を配分する場合等における合意形成の円滑化が期待できるといった考え方もある。 このため、住戸の価値に大きな差がある場合においては、単に共有持分 の割合によるのではなく、専有部分の階数(眺望、日照等)、方角(日照等)等を考慮した価値の違いに基づく価値割合を基礎として、議決権の割合を定めることも考えられる。 この価値割合とは、専有部分の大きさ及び立地(階数・方角等)等を考慮した効用の違いに基づく議決権割合を設定するものであり、住戸内の内装や備付けの設備等住戸内の豪華さ等も加味したものではないことに留意 する。 また、この価値は、必ずしも各戸の実際の販売価格に比例するものでは なく、全戸の販売価格が決まっていなくても、各戸の階数・方角(眺望、 日照等)などにより、別途基準となる価値を設定し、その価値を基にした議決権割合を新築当初に設定することが想定される。ただし、前方に建物が建築されたことによる眺望の変化等の各住戸の価値に影響を及ぼすよう な事後的な変化があったとしても、それによる議決権割合の見直しは原則として行わないものとする。 なお、このような価値割合による議決権割合を設定する場合には、棟総会における議決権割合や分譲契約等によって定まる土地等の共有持分についても、価値割合に連動させることが考えられる。

4 特定の者について利害関係が及ぶような事項を決議する場合には、その特定の少数者の意見が反映されるよう留意する。

5 団地総会は管理組合の最高の意思決定機関であることを踏まえると、代理人は、団地建物所有者としての組合員の意思が団地総会に適切に反映されるよう、団地建物所有者の立場から見て利害関係が一致すると考えられる者に限定することが望ましい。第5項は、この観点から、組合員が代理人によって議決権を行使する場合の代理人の範囲について規約に定めることとした場合の規定例である。また、団地総会の円滑な運営を図る観点から、代理人の欠格事由として暴力団員等を規約に定めておくことも考えら れる。なお、成年後見人、財産管理人等の組合員の法定代理人については、法律上本人に代わって行為を行うことが予定されている者であり、当然に議決権の代理行使をする者の範囲に含まれる。

6 書面による議決権の行使とは、団地総会には出席しないで、団地総会の開催前に各議案ごとの賛否を記載した書面(いわゆる「議決権行使書」) を団地総会の招集者に提出することである。他方、代理人による議決権の行使とは、代理権を証する書面(いわゆる「委任状」)によって、組合員本人から授権を受けた代理人が団地総会に出席して議決権を行使すること である。
このように、議決権行使書と委任状は、いずれも組合員本人が団地総会 に出席せずに議決権の行使をする方法であるが、議決権行使書による場合 は組合員自らが主体的に賛否の意思決定をするのに対し、委任状による場合は賛否の意思決定を代理人に委ねるという点で性格が大きく異なるものである。そもそも団地総会が管理組合の最高の意思決定機関であることを考えると、組合員本人が自ら出席して、議場での説明や議論を踏まえて議 案の賛否を直接意思表示することが望ましいのはもちろんである。しかし、 やむを得ず団地総会に出席できない場合であっても、組合員の意思を団地総会に直接反映させる観点からは、議決権行使書によって組合員本人が自ら賛否の意思表示をすることが望ましく、そのためには、団地総会の招集の通知において議案の内容があらかじめなるべく明確に示されることが重要であることに留意が必要である。なお、このような考え方は棟総会においても同様である。

7 代理人による議決権の行使として、誰を代理人とするかの記載のない委 任状(いわゆる「白紙委任状」)が提出された場合には、当該委任状の効 力や議決権行使上の取扱いについてトラブルとなる場合があるため、その ようなトラブルを防止する観点から、例えば、委任状の様式等において、 委任状を用いる場合には誰を代理人とするかについて主体的に決定するこ とが必要であること、適当な代理人がいない場合には代理人欄を空欄とせず議決権行使書によって自ら賛否の意思表示をすることが必要であること 等について記載しておくことが考えられる。なお、このような考え方は棟 総会においても同様である。

 

第四十九条(団地総会の会議及び議事)


(団地総会の会議及び議事)
第49条 団地総会の会議は、前条第1項に定める議決権総数の半数以上を有する組合員が出席しなければならない


2 団地総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決する。


3 次の各号に掲げる事項に関する団地総会の議事は、前項にかかわらず、組合員総数の4分の3以上及び議決権総数の4分の3以上で決する。

規約の制定、変更又は廃止(第72条第一号の場合を除く。)

二 土地及び共用部分等の変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないもの及び建築物の耐震改修の促進に関する法律第25条第2項に基づく認定を受けた建物の耐震改修を除く。)

三 その他団地総会において本項の方法により決議することとした事項


4 建替え承認決議は、第2項にかかわらず、議決権(第48条第1項にか かわらず、建替えを行う団地内の特定の建物(以下「当該特定建物」とい う。)の所在する土地(これに関する権利を含む。)の持分の割合による。第6項において同じ。)総数の4分の3以上で行う。


5 当該特定建物の建替え決議又はその区分所有者の全員の合意がある場合における当該特定建物の団地建物所有者は、建替え承認決議においては、いずれもこれに賛成する旨の議決権を行使したものとみなす。


6 建替え承認決議に係る建替えが当該特定建物以外の建物(以下「当該他の建物」という。)の建替えに特別の影響を及ぼすべきときは、建替え承認決議を会議の目的とする総会において、当該他の建物の区分所有者全員の議決権の4分の3以上の議決権を有する区分所有者が、建替え承認決議に賛成しているときに限り、当該特定建物の建替えをすることができる。


7 一括建替え決議は、第2項にかかわらず、組合員総数の5分の4以上及び議決権(第48条第1項にかかわらず、当該団地内建物の敷地の持分の割合による。)総数の5分の4以上で行う。ただし、当該団地総会において、当該各団地内建物ごとに、それぞれその区分所有者の3分の2以上及び議決権(第48条第1項に基づき、別表第5に掲げる議決権割合による。)総数の3分の2以上の賛成がなければならない。

〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕


(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合


8 前7項の場合において、書面又は代理人によって議決権を行使する者は、出席組合員とみなす。


(イ)電磁的方法が利用可能な場合


8 前7項の場合において、書面、電磁的方法又は代理人によって議決権を行使する者は、出席組合員とみなす。


9 第3項第一号において、規約の制定、変更又は廃止が一部の組合員の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。この場合において、その組合員は正当な理由がなければこれを拒否してはならない。


10 第3項第二号において、土地及び共用部分等の変更が、専有部分又は専用使用部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、その専有部分を所有する組合員又はその専用使用部分の専用使用を認められている組合員の承諾を得なければならない。この場合において、その組合員は正当な理由がなければこれを拒否してはならない。


11 団地総会においては、第45条第1項によりあらかじめ通知した事項についてのみ、決議することができる。

 

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第49条関係
1 第2項は、議長を含む出席組合員(書面又は代理人によって議決権を行使する者を含む。)の議決権の過半数で決議し、過半数の賛成を得られなかった議事は否決とすることを意味するものである。

2 特に慎重を期すべき事項を特別の決議によるものとした。あとの事項は、会議運営の一般原則である多数決によるものとした。

3 区分所有法では、共用部分の変更に関し、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議(特別多数決議)で決することを原則としつつ、その形状又は効用の著しい変更を伴わない共用部分の変更については区分所有者及び議決権の各過半数によることとしている(なお、共用部分の変更が専有部分の使用に特別の影響を及ぼすべきときは、区分所有法第17条第2項(第18条第3項において準用する場合を含む。)の規定に留意が必要である。(第10項参照))。 建物の維持・保全に関して、区分所有者は協力してその実施に努めるべきであることを踏まえ、機動的な実施を可能とするこの区分所有法の規定を、標準管理規約上も確認的に規定したのが第49条第3項第二号である。
なお、建築物の耐震改修の促進に関する法律第25条の規定により、要耐震改修認定区分所有建築物の耐震改修については、区分所有法の特例として、敷地及び共用部分等の形状又は効用の著しい変更に該当する場合であっても、過半数の決議(普通決議)で実施可能となっている。

4 第1項に基づき議決権総数の半数を有する組合員が出席する団地総会において、第2項に基づき出席組合員の議決権の過半数で決議(普通決議) される事項は、総組合員の議決権総数の4分の1超の賛成により決議されることに鑑み、例えば、大規模修繕工事のように多額の費用を要する事項については、組合員総数及び議決権総数の過半数で、又は議決権総数の過 半数で決する旨規約に定めることもできる。

5 このような規定の下で、各工事に必要な団地総会の決議に関しては、例えば次のように考えられる。ただし、基本的には各工事の具体的内容に基づく個別の判断によることとなる。

ア)バリアフリー化の工事に関し、建物の基本的構造部分を取り壊す等の加工を伴わずに階段にスロープを併設し、手すりを追加する工事は普通決議により、階段室部分を改造したり、建物の外壁に新たに外付けしたりして、エレベーターを新たに設置する工事は特別多数決議により実施可能と考えられる。

イ)耐震改修工事に関し、柱やはりに炭素繊維シートや鉄板を巻き付けて補修する工事や、構造躯体に壁や筋かいなどの耐震部材を設置する工事で基本的構造部分への加工が小さいものは普通決議により実施可能と考えられる。

ウ)防犯化工事に関し、オートロック設備を設置する際、配線を、空き管路内に通したり、建物の外周に敷設したりするなど共用部分の加工の程度が小さい場合の工事や、防犯カメラ、防犯灯の設置工事は普通決議により、実施可能と考えられる。

エ)IT化工事に関し、光ファイバー・ケーブルの敷設工事を実施する場合、その工事が既存のパイプスペースを利用するなど共用部分の形状に変更を加えることなく実施できる場合や、新たに光ファイバー・ケーブルを通すために、外壁、耐力壁等に工事を加え、その形状を変更するような場合でも、建物の躯体部分に相当程度の加工を要するものではな く、外観を見苦しくない状態に復元するのであれば、普通決議により実施可能と考えられる。

オ)計画修繕工事に関し、鉄部塗装工事、外壁補修工事、屋上等防水工事、給水管更生・更新工事、照明設備、共聴設備、消防用設備、エレベーター設備の更新工事は普通決議で実施可能と考えられる。

カ)その他、集会室、駐車場、駐輪場の増改築工事などで、大規模なものや著しい加工を伴うものは特別多数決議により、窓枠、窓ガラス、玄関 扉等の一斉交換工事、既に不要となったダストボックスや高置水槽等の 撤去工事は普通決議により、実施可能と考えられる。

6 建替え決議及び一括建替え決議の賛否は、売渡し請求の相手方になるかならないかに関係することから、賛成者、反対者が明確にわかるよう決議することが必要である。なお、第4項、第6項及び第7項の決議要件については、法定の要件を確認的に規定したものである。

 

第五十条(議決事項)


(議決事項)
第50条 次の各号に掲げる事項については、団地総会の決議を経なければならない。

一 収支決算及び事業報告

二 収支予算及び事業計画

三 管理費等及び使用料の額並びに賦課徴収方法

四 規約(第72条第一号の場合を除く。)及び使用細則等の制定、変更又は廃止

72条1号により区分所有法で団地関係に準用されていない規定

第1章第3節 敷地利用権(同法22条〜24条)

第7節 義務違反者に対する措置(同法57条〜60条)

第8節 復旧及び建替え(同法61条〜64条)

以上に定める事項に係る規約の制定、変更又は廃止については、棟総会の決議事項なので、除外されている。

五 長期修繕計画の作成又は変更

六 第28条第1項又は第29条第1項に定める特別の管理の実施(第72条第三号及び第四号の場合を除く。)並びにそれに充てるための資金の借入れ及び団地修繕積立金又は各棟修繕積立金の取崩し

七 第28条第2項若しくは第3項又は第29条第2項若しくは第3項に 定める建替え等に係る計画又は設計等の経費のための団地修繕積立金又は各棟修繕積立金の取崩し

八 団地修繕積立金及び各棟修繕積立金の保管及び運用方法

九 第21条第2項に定める管理の実施

十 区分所有法第69条第1項の場合の建替えの承認

十一 区分所有法第70条第1項の場合の一括建替え

十二 役員の選任及び解任並びに役員活動費の額及び支払方法

十三 組合管理部分に関する管理委託契約の締結

十四 その他管理組合の業務に関する重要事項

 

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第50条関係

規約の変更の際には以下の点に留意する必要がある。

1 団地内の棟が数期に分けて分譲され、新たに分譲された棟が従前の棟とその敷地等が同じ共有関係にある場合には、団地全体で管理する対象を再度決める必要があり、この場合は、従前の棟も含めた各棟の棟総会で、それぞれ各棟の区分所有者及び議決権の各4分の3以上で決議し、かつ団地総会で、団地建物所有者及び議決権の各4分の3以上で決議し、団地の規約に位置づける。

2 団地全体で管理することとしていた棟の管理を各棟で管理することにする場合は、団地総会で、団地建物所有者及び議決権の各4分の3以上で決議し、団地の規約を変更した上で、各棟でその棟の管理のための規約を制定する。

3 団地全体で管理する対象の管理の方法について変更する場合は、団地総会で、団地建物所有者及び議決権の各4分の3以上で決議し、団地の規約を変更する。


〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、次のように規定〕

 

第五十一条(議事録の作成、保管等)

 

(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合


(議事録の作成、保管等)
第51条 団地総会の議事については、議長は、議事録を作成しなければならない。


2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、議長及び議長の指名する2名の団地総会に出席した組合員がこれに署名押印しなければならない。


3 理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面による請求があったときは、議事録の閲覧をさせなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。


4 理事長は、所定の掲示場所に、議事録の保管場所を掲示しなければならない。

 

(イ)電磁的方法が利用可能な場合


(議事録の作成、保管等)
第51条 団地総会の議事については、議長は、書面又は電磁的記録により、議事録を作成しなければならない。 

2 議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、又は記録しなければならない。
3 前項の場合において、議事録が書面で作成されているときは、議長及 び議長の指名する2名の団地総会に出席した組合員がこれに署名押印しなければならない。
4 第2項の場合において、議事録が電磁的記録で作成されているとき は、当該電磁的記録に記録された情報については、議長及び議長の指名する2名の団地総会に出席した組合員が電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)第2条第1項の「電子署 名」をいう。以下同じ。)をしなければならない。

5 理事長は、議事録を保管し、組合員又は利害関係人の書面又は電磁的 方法による請求があったときは、議事録の閲覧(議事録が電磁的記録で作成されているときは、当該電磁的記録に記録された情報の内容を紙面又は出力装置の映像面に表示する方法により表示したものの当該議事録の保管場所における閲覧をいう。)をさせなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。
6 理事長は、所定の掲示場所に、議事録の保管場所を掲示しなければならない。

 

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第51条関係
1 第3項の「利害関係人」とは、土地、専有部分に対する担保権者、差押え債権者、賃借人、組合員からの媒介の依頼を受けた宅地建物取引業者等 法律上の利害関係がある者をいい、単に事実上利益や不利益を受けたりする者、親族関係にあるだけの者等は対象とはならない。

2 電磁的記録の具体例には、磁気ディスク、磁気テープ、フロッピーディスク等のような磁気的方式によるもの、ICカード、ICメモリー等のような電子的方式によるもの、CD-ROMのような光学的方式によるものなどによっ て調製するファイルに情報を記録したものがある。

3 電子署名及び認証業務に関する法律第2条第1項の電子署名とは、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるもの)に記録することができる情報について行われる措置であって、次のア)及びイ)のいずれにも該当するものである。

ア)当該情報が当該措置を行ったものの作成に係るものであることを示すためのものであること。

イ)当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することがで きるものであること。

 

第五十二条(書面による決議)

 

(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合


(書面による決議)
第52条 規約により団地総会において決議をすべき場合において、組合員全員の承諾があるときは、書面による決議をすることができる。

 

2 規約により団地総会において決議すべきものとされた事項については、組合員全員の書面による合意があったときは、書面による決議があったものとみなす。


3 規約により団地総会において決議すべきものとされた事項についての書面による決議は、団地総会の決議と同一の効力を有する。


4 前条第3項及び第4項の規定は、書面による決議に係る書面について準用する。


5 団地総会に関する規定は、書面による決議について準用する。


(イ)電磁的方法が利用可能な場合

 

(書面又は電磁的方法による決議)
第52条 規約により団地総会において決議をすべき場合において、組合員全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をすること ができる。ただし、電磁的方法による決議に係る組合員の承諾については、あらかじめ、組合員に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。

 

2 前項の電磁的方法の種類及び内容は、次に掲げる事項とする。

一 第46条第4項各号に定める電磁的方法のうち、送信者が使用する
もの

二 ファイルへの記録の方式

 

3 規約により団地総会において決議すべきものとされた事項ついては、 組合員全員の書面又は電磁的方法による合意があったときは、書面又は 電磁的方法による決議があったものとみなす。

 

4 規約により団地総会において決議すべきものとされた事項についての 書面又は電磁的方法による決議は、団地総会の決議と同一の効力を有する。

 

5 前条第5項及び第6項の規定は、書面又は電磁的方法による決議に係 る書面並びに第1項及び第3項の電磁的方法が行われた場合に当該電磁 的方法により作成される電磁的記録について準用する。

 

6 団地総会に関する規定は、書面又は電磁的方法による決議について準用する。

 

 

出典:国土交通省ホームページ (http://www.mlit.go.jp/) 

「標準管理規約(団地型)及び同コメント (PDF)(最終改正 平成30年3月30日 国住マ第60号)」(国土交通省) (http://www.mlit.go.jp/common/001228580.pdf)を加工して作成

 

参考文献

公益財団法人 マンション管理センター.平成30年度版 マンション管理の知識.(株)住宅新報出版,2018,978p

高橋文雄 .2018年度版 これだけ!マンション管理士 試験対策ノート.(株)建築資料研究社,2018,513p