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マンション標準管理規約(複合用途型) 第5章 管理 第2節 費用の負担

複合用途型標準管理規約が対象としているのは、一般分譲の住居・ 店舗併用の単棟型マンションで、複合用途型マンションの形態として、「低層階に店舗があり、上階に住宅という形態で住宅が主体のも の」を対象とした。

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マンション標準管理規約(複合用途型)

第5章 管理

第2節 費用の負担

 

 

第二十五条(全体管理費等)


(全体管理費等)
第25条 区分所有者は、敷地、全体共用部分及び附属施設の管理に要する経費に充てるため、次の費用(以下「全体管理費等」という。)を管理組合に納入しなければならない。

全体管理費

全体修繕積立金 


2 全体管理費等の額については、住戸部分のために必要となる費用と店舗部分のために必要となる費用をあらかじめ按分した上で、住戸部分の区分所有者又は店舗部分の区分所有者ごとに各区分所有者の全体共用部分の共有持分に応じて算出するものとする。

 

第二十六条(一部管理費等)


(一部管理費等)
第26条 一部共用部分の管理に要する経費に充てるため、住戸部分の区分所有者にあっては第一号及び第三号に掲げる費用を、店舗部分の区分所有者にあっては第二号及び第四号に掲げる費用を、それぞれ管理組合に納入しなければならない。

住宅一部管理費

店舗一部管理費

住宅一部修繕積立金

店舗一部修繕積立金


2 前項各号に掲げる費用(以下「一部管理費等」という。)の額については、住戸部分又は店舗部分の各区分所有者の一部共有部分の共有持分に応じて算出するものとする。

 

コメント

第25条関係及び第26条関係
1 全体管理費等の各区分所有者の負担額は、住戸部分及び店舗部分のために必要となる費用をあらかじめ按分した上で、住戸部分のために必要となる費用分については住戸部分の区分所有者の全体共用部分の共有持分の合計に対する各区分所有者の共有持分の割合により算出し、店舗部分のために必要となる費用分については店舗部分の区分所有者の全体共用部分の共有持分の合計に対する各区分所有者の共有持分の割合により算出することとする。
住戸部分及び店舗部分のために必要となる費用の按分は、費用項目を分けた上でその項目ごとに費用発生の原因を勘案し、費用負担として振り分けることが適当である。


2 全体管理費のうち、管理組合の運営に要する費用については、組合費として全体管理費とは分離して徴収することもできる。


3 議決権割合の設定方法について、一戸一議決権(第50条関係2)や価値割合(第50条関係3)を採用する場合であっても、これとは別に管理費等の負担額については、第2項により、共用部分の共有持分に応じて算 出することが考えられる。


4 なお、管理費等の徴収や、滞納があった場合の取扱い等については、第65条を参照のこと。

 

第二十七条(承継人に対する債権の行使)


(承継人に対する債権の行使)
第27条 管理組合が全体管理費等及び一部管理費等(以下「管理費等」という。)について有する債権は、区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。

 

コメント

第27条関係

以前は包括承継人についても記載していたが、包括承継人が債務を承継するのは当然であるため、削除した。

 

第二十八条(全体管理費)


(全体管理費)
第28条 全体管理費は、敷地、全体共用部分及び附属施設の次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。

一 管理員人件費

二 公租公課

三 共用設備の保守維持費及び運転費

四 備品費、通信費その他の事務費

五 全体共用部分及び附属施設に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料

六 経常的な補修費

七 清掃費、消毒費及びごみ処理費

八 委託業務費

九 専門的知識を有する者の活用に要する費用

十 管理組合の運営に要する費用

十一 その他第36条に定める業務に要する費用(第29条から第31条までに規定する経費を除く。)

 

第二十九条(住宅一部管理費及び店舗一部管理費)


(住宅一部管理費及び店舗一部管理費)
第29条 住宅一部管理費は住宅一部共用部分の、店舗一部管理費は店舗一部共用部分の、それぞれ次の各号に掲げる通常の管理に要する経費に充当する。

一 管理員人件費

二 公租公課

三 共用設備の保守維持費及び運転費

四 備品費、通信費その他の事務費

五 一部共用部分に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料

六 経常的な補修費

七 清掃費、消毒費及びごみ処理費

八 委託業務費

九 専門的知識を有する者の活用に要する費用

十 その他第36条に定める業務に要する費用(住宅一部共用部分又は店
舗一部共用部分のみに係るものに限る。次条及び第31条に規定する経 費を除く。)

 

コメント

第28条及び第29条関係
1 管理組合の運営に要する費用には役員活動費も含まれ、これについては一般の人件費等を勘案して定めるものとするが、役員は区分所有者全員の 利益のために活動することに鑑み、適正な水準に設定することとする。なお、コメント第41条関係2を参照のこと。


2 従来、本条第十号に掲げる管理費の使途及び第36条の管理組合の業務として、「地域コミュニティにも配慮した居住者間のコミュニティ形成 (に要する費用)」が掲げられていた。これは、日常的なトラブルの未然 防止や大規模修繕工事等の円滑な実施などに資するコミュニティ形成について、マンションの管理という管理組合の目的の範囲内で行われることを前提に規定していたものである。しかしながら、「地域コミュニティにも 配慮した居住者間のコミュニティ形成」との表現には、定義のあいまいさから拡大解釈の懸念があり、とりわけ、管理組合と自治会、町内会等とを混同することにより、自治会費を管理費として一体で徴収し自治会費を払っている事例や、自治会的な活動への管理費の支出をめぐる意見対立やトラブル等が生じている実態もあった。一方、管理組合による従来の活動の 中でいわゆるコミュニティ活動と称して行われていたもののうち、例えば、マンションやその周辺における美化や清掃、景観形成、防災・防犯活動、生活ルールの調整等で、その経費に見合ったマンションの資産価値の向上がもたらされる活動は、それが区分所有法第3条に定める管理組合の目的である「建物並びにその敷地及び附属施設の管理」の範囲内で行われる限りにおいて可能である。
以上を明確にするため、第十号及び第36条第十五号を削除するとともに、第36条第十二号を「マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務」と改めることとした。
また、従来、第28条第十二号に「その他敷地、全体共用部分及び附属 施設の通常の管理に要する費用」及び第29条第十一号に「その他一部共 用部分の通常の管理に要する費用」が掲げられていたが、第36条に定める業務との関連が不明確であったことから、第28条第十一号で「その他 第36条に定める業務に要する費用(第29条から第31条までに規定する経費を除く。)」と改め、第29条第十号で「その他第36条に定める業務に要する費用(住宅一部共用部分又は店舗一部共用部分のみに係るものに限る。次条及び第31条に規定する経費を除く。)」と改めることとした。上述の第36条第十二号の業務に要する費用は、本号あるいは別の号の経費として支出することが可能である。


3 管理組合は、区分所有法第3条に基づき、区分所有者全員で構成される強制加入の団体であり、居住者が任意加入する地縁団体である自治会、町内会等とは異なる性格の団体であることから、管理組合と自治会、町内会等との活動を混同することのないよう注意する必要がある。
各居住者が各自の判断で自治会又は町内会等に加入する場合に支払うこととなる自治会費又は町内会費等は、地域住民相互の親睦や福祉、助け合い等を図るために居住者が任意に負担するものであり、マンションを維持 ・管理していくための費用である管理費等とは別のものである。
自治会費又は町内会費等を管理費等と一体で徴収している場合には、以下の点に留意すべきである。

ア 自治会又は町内会等への加入を強制するものとならないようにすること。

イ 自治会又は町内会等への加入を希望しない者から自治会費又は町内会費等の徴収を行わないこと。

ウ 自治会費又は町内会費等を管理費とは区分経理すること。

エ 管理組合による自治会費又は町内会費等の代行徴収に係る負担について整理すること。


4 上述のような管理組合の法的性質からすれば、マンションの管理に関わりのない活動を行うことは適切ではない。例えば、一部の者のみに対象が限定されるクラブやサークル活動経費、主として親睦を目的とする飲食の経費などは、マンションの管理業務の範囲を超え、マンション全体の資産価値向上等に資するとも言い難いため、区分所有者全員から強制徴収する管理費をそれらの費用に充てることは適切ではなく、管理費とは別に、参 加者からの直接の支払や積立て等によって費用を賄うべきである。

 

第三十条(全体修繕積立金)


(全体修繕積立金)
第30条 管理組合は、各区分所有者が納入する全体修繕積立金を積み立てるものとし、積み立てた全体修繕積立金は、次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。

一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕

二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕

三 敷地、全体共用部分及び附属施設の変更

四 建物の建替え及びマンション敷地売却(以下「建替え等」という。)
に係る合意形成に必要となる事項の調査

五 その他敷地、全体共用部分及び附属施設の管理に関し、区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理


2 前項にかかわらず、区分所有法第62条第1項の建替え決議(以下「建
替え決議」という。)又は建替えに関する区分所有者全員の合意の後であっても、マンションの建替え等の円滑化に関する法律(平成14年法律第 78号。以下「円滑化法」という。)第9条のマンション建替組合の設立の認可又は円滑化法第45条のマンション建替事業の認可までの間において、建物の建替えに係る計画又は設計等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、全体修繕積立金から管理組合の消滅時に建替え不参加者に帰属する全体修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、 全体修繕積立金を取り崩すことができる。


3 第1項にかかわらず、円滑化法第108条第1項のマンション敷地売却 決議(以下「マンション敷地売却決議」という。)の後であっても、円滑 化法第120条のマンション敷地売却組合の設立の認可までの間において、 マンション敷地売却に係る計画等に必要がある場合には、その経費に充当するため、管理組合は、全体修繕積立金から管理組合の消滅時にマンション敷地売却不参加者に帰属する全体修繕積立金相当額を除いた金額を限度として、全体修繕積立金を取り崩すことができる。


4 管理組合は、第1項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、全体修繕積立金をもってその償還に充てることができる。

 

第三十一条(住宅一部修繕積立金及び店舗一部修繕積立金)


(住宅一部修繕積立金及び店舗一部修繕積立金)
第31条 管理組合は、住戸部分の各区分所有者が納入する住宅一部修繕積立金及び店舗部分の各区分所有者が納入する店舗一部修繕積立金を、それぞれ積み立てるものとする。


2 住宅一部修繕積立金は住宅一部共用部分の、店舗一部修繕積立金は店舗一部共用部分の、それぞれ次の各号に掲げる特別の管理に要する経費に充当する場合に限って取り崩すことができる。

一 一定年数の経過ごとに計画的に行う修繕

二 不測の事故その他特別の事由により必要となる修繕

三 一部共用部分の変更

四 その他一部共用部分の管理に関し、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者全体の利益のために特別に必要となる管理


3 管理組合は、前項各号の経費に充てるため借入れをしたときは、それぞれ住宅一部修繕積立金又は店舗一部修繕積立金をもってその償還に充てる ことができる。

 

コメント

第30条及び第31条関係
1 対象物件の経済的価値を適正に維持するためには、一定期間ごとに行う計画的な維持修繕工事が重要であるので、全体修繕積立金、住宅一部修繕積立金及び店舗一部修繕積立金を必ず積み立てることとしたものである。

 

2 分譲会社が分譲時において将来の計画修繕に要する経費に充当していくため、一括して購入者より修繕積立基金として徴収している場合や、修繕時に、既存の全体修繕積立金、住宅一部修繕積立金又は店舗一部修繕積立金の額が修繕費用に不足すること等から、一時負担金が区分所有者から徴収される場合があるが、これらについても全体修繕積立金、住宅一部修繕積立金又は店舗一部修繕積立金として積み立てられ、区分経理されるべきものである。


3 円滑化法に基づく建替組合によるマンション建替事業における建替えまでのプロセスの概要は、円滑化法の制定を踏まえ作成された「マンション の建替えに向けた合意形成に関するマニュアル」(平成15年1月国土交通 省公表)によれば、次のとおりである。

A.建替え決議までのプロセス

(ア)準備段階:一部の区分所有者から建替えの発意がなされ、それに賛同する有志により、建替えを提起するための基礎的な検討が行われる段階であり、「管理組合として建替えの検討を行うことの合意を得ること」を目標とする。

(イ)検討段階:管理組合として、修繕・改修との比較等による建替えの必要性、建替えの構想について検討する段階であり、「管理組合として、建替えを必要として計画することの合意を得ること」を目標とする。

(ウ)計画段階:管理組合として、各区分所有者の合意形成を図りなが ら、建替えの計画を本格的に検討する段階であり、「建替え計画を策定するともに、それを前提とした建替え決議を得ること」を目標とする。

B.建替え決議後のプロセス

(ア)建替組合の設立段階:定款及び事業計画を定め、都道府県知事等の認可を受けて建替組合を設立する段階。

(イ)権利変換段階:権利変換計画を策定し、同計画に関し都道府県知事等の認可を受け、権利変換を行う段階。

(ウ)工事実施段階:建替え工事を施工し、工事完了時にマンション建替事業に係る清算を行う段階。

(エ)再入居と新管理組合の設立段階:新マンションに入居し、新マンションの管理組合が発足する段階。


4 3のプロセスのうち、3のA(イ)及び(ウ)の段階においては、管理組合が建替えの検討のため、調査を実施する。調査の主な内容は、再建マンションの設計概要、マンションの取壊し及び再建マンションの建築に要する費用の概算額やその費用分担、再建マンションの区分所有権の帰属に関する事項等である。


5 3のプロセスのうち、3のB(ア)の段階においても、全体修繕積立金を取り崩すことができる場合を定めたのが第2項である。


6 3のプロセスによらず、円滑化法第45条のマンション建替事業の認可に基づく建替え、又は区分所有者の全員合意に基づく任意の建替えを推進する場合であっても、必要に応じて、第30条第1項及び第2項、又は第 2項と同様の方法により、全体修繕積立金を取り崩すことは可能である。 ただし、任意の組織に関し、その設立時期について管理組合内で共通認識を得ておくことが必要である。


7 円滑化法に基づくマンション敷地売却組合によるマンション敷地売却事 業のプロセスの概要は、平成26年の円滑化法の改正を踏まえ作成された 「耐震性不足のマンションに係るマンション敷地売却ガイドライン」(平 成26年12月国土交通省公表)を参考とされたい。この場合にも、建替えの場合と同様に、第30条第1項及び第3項に基づき、必要に応じて、 全体修繕積立金を取り崩すことは可能である。


8 建替え等に係る調査に必要な経費の支出は、各マンションの実態に応じて、管理費から支出する旨管理規約に規定することもできる。

 

第三十二条(区分経理)


(区分経理)
第32条 管理組合は、次の各号に掲げる費用ごとにそれぞれ区分して経理しなければならない。

一 全体管理費

二 住宅一部管理費

三 店舗一部管理費

四 全体修繕積立金

五 住宅一部修繕積立金

六 店舗一部修繕積立金

 

第三十三条(使用料)


(使用料)
第33条 駐車場使用料その他の敷地及び共用部分等に係る使用料(以下
「使用料」という。)は、それらの管理に要する費用に充てるほか、全体修繕積立金として積み立てる。(管理費等)

 

コメント

第33条関係

機械式駐車場を有する場合は、その維持及び修繕に多額の費用を要することから、管理費、全体修繕積立金、住宅一部修繕積立金及び店舗一部修繕積立金とは区分して経理することもできる。

 

 

出典:国土交通省ホームページ (http://www.mlit.go.jp/) 
「標準管理規約(複合用途型)及び同コメント (PDF)(最終改正 平成29年8月29日 国住マ第33号)」(国土交通省) (http://www.mlit.go.jp/common/001202418.pdf)を加工して作成

参考文献
公益財団法人 マンション管理センター.平成30年度版 マンション管理の知識.(株)住宅新報出版,2018,978p
高橋文雄 .2018年度版 これだけ!マンション管理士 試験対策ノート.(株)建築資料研究社,2018,513p