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民法 第一編 総則 第七章 時効 第一節 総則 第二節 取得時効 第三節 消滅時効

第百四十四条〜第百七十四の二

 

時効とは、真実の権利関係と異なる事実状態が長年にわたって継続した場合、その事実状態を尊重して権利関係を認める制度をいう。

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民法

第一編 総則

   第七章 時効

      第一節 総則

      第二節 取得時効

      第三節 消滅時効

 

 

 

第一節 総則

 

第百四十四条(時効の効力)


(時効の効力)
第百四十四条 時効の効力は、その起算日にさかのぼる。

 

このことを時効の遡及効という。

 

第百四十五条(時効の援用)


(時効の援用)
第百四十五条 時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。

 

第百四十六条(時効の利益の放棄)


(時効の利益の放棄)
第百四十六条 時効の利益は、あらかじめ放棄することができない。

 

第百四十七条(時効の中断事由)

 

時効は、一定の事実状態が継続することに基づく効果だから、この事実状態を覆すような事実が生じれば、時効は進行できないこととなり、既に経過した期間はなかったこととなる。これを時効の中断といい、そのような中断を生じさせる事実を時効の中断事由という。

時効の中断があると、それまでの時効期間は無くなり、改めて時効期間が進行する。


(時効の中断事由)
第百四十七条 時効は、次に掲げる事由によって中断する。

一 請求

二 差押え仮差押え又は仮処分

三 承認

 

第百四十八条(時効の中断の効力が及ぶ者の範囲)


(時効の中断の効力が及ぶ者の範囲)
第百四十八条 前条の規定による時効の中断は、その中断の事由が生じた当事者及びその承継人の間においてのみ、その効力を有する。

 

第百四十九条(裁判上の請求)


(裁判上の請求)
第百四十九条 裁判上の請求は、訴えの却下又は取下げの場合には、時効の中断の効力を生じない。

 

第百五十条(支払督促)


(支払督促)
第百五十条 支払督促は、債権者が民事訴訟法第三百九十二条に規定する期間内に仮執行の宣言の申立てをしないことによりその効力を失うときは、時効の中断の効力を生じない。

 

第百五十一条(和解及び調停の申立て)


(和解及び調停の申立て)
第百五十一条 和解の申立て又は民事調停法(昭和二十六年法律第二百二十二号)若しくは家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)による調停の申立ては、相手方が出頭せず、又は和解若しくは調停が調わないときは、一箇月以内に訴えを提起しなければ、時効の中断の効力を生じない。

 

第百五十二条(破産手続参加等)


(破産手続参加等)
第百五十二条 破産手続参加、再生手続参加又は更生手続参加は、債権者がその届出を取り下げ、又はその届出が却下されたときは、時効の中断の効力を生じない。

 

第百五十三条(催告)


(催告)
第百五十三条 催告は、六箇月以内に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停法若しくは家事事件手続法による調停の申立て、破産手続参加、再生手続参加、更生手続参加、差押え、仮差押え又は仮処分をしなければ、時効の中断の効力を生じない。

 

第百五十四条(差押え、仮差押え及び仮処分)


(差押え、仮差押え及び仮処分)
第百五十四条 差押え、仮差押え及び仮処分は、権利者の請求により又は法律の規定に従わないことにより取り消されたときは、時効の中断の効力を生じない。

 

第百五十五条


第百五十五条 差押え、仮差押え及び仮処分は、時効の利益を受ける者に対してしないときは、その者に通知をした後でなければ、時効の中断の効力を生じない。

 

第百五十六条(承認)


(承認)
第百五十六条 時効の中断の効力を生ずべき承認をするには、相手方の権利についての処分につき行為能力又は権限があることを要しない。

 

第百五十七条(中断後の時効の進行)


(中断後の時効の進行)
第百五十七条 中断した時効は、その中断の事由が終了した時から、新たにその進行を始める。


2 裁判上の請求によって中断した時効は、裁判が確定した時から、新たにその進行を始める。

 

第百五十八条(未成年者又は成年被後見人と時効の停止)


(未成年者又は成年被後見人と時効の停止)
第百五十八条 時効の期間の満了前六箇月以内の間に未成年者又は成年被後見人に法定代理人がないときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その未成年者又は成年被後見人に対して、時効は、完成しない。


2 未成年者又は成年被後見人がその財産を管理する父、母又は後見人に対して権利を有するときは、その未成年者若しくは成年被後見人が行為能力者となった時又は後任の法定代理人が就職した時から六箇月を経過するまでの間は、その権利について、時効は、完成しない。

 

第百五十九条(夫婦間の権利の時効の停止)


(夫婦間の権利の時効の停止)
第百五十九条 夫婦の一方が他の一方に対して有する権利については、婚姻の解消の時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

 

第百六十条(相続財産に関する時効の停止)


(相続財産に関する時効の停止)
第百六十条 相続財産に関しては、相続人が確定した時、管理人が選任された時又は破産手続開始の決定があった時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

 

第百六十一条(天災等による時効の停止)


(天災等による時効の停止)
第百六十一条 時効の期間の満了の時に当たり、天災その他避けることのできない事変のため時効を中断することができないときは、その障害が消滅した時から二週間を経過するまでの間は、時効は、完成しない。

 


第二節 取得時効

 

第百六十二条(所有権の取得時効)

 

取得時効とは、管理者らしい権利行使の外観が一定の期間継続することによって、その外観を備えている者に権利取得の効果を生じる時効のことをいう。


(所有権の取得時効)
第百六十二条 二十年間所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。


2 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。

 

第百六十三条(所有権以外の財産権の取得時効)


(所有権以外の財産権の取得時効)
第百六十三条 所有権以外の財産権を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と行使する者は、前条の区別に従い二十年又は十年を経過した後、その権利を取得する。

 

第百六十四条(占有の中止等による取得時効の中断)


(占有の中止等による取得時効の中断)
第百六十四条 第百六十二条の規定による時効は、占有者が任意にその占有を中止し、又は他人によってその占有を奪われたときは、中断する。

 

第百六十五条


第百六十五条 前条の規定は、第百六十三条の場合について準用する。

 


第三節 消滅時効

 

消滅時効とは、権利を行使しない状態が一定期間継続することによって、権利が消滅してしまうという効果を生じる時効のことをいう。

 

第百六十六条(消滅時効の進行等)


(消滅時効の進行等)
第百六十六条 消滅時効は、権利を行使することができる時から進行する


2 前項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を中断するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

 

第百六十七条(債権等の消滅時効)


(債権等の消滅時効)
第百六十七条 債権は、十年間行使しないときは、消滅する。


2 債権又は所有権以外の財産権は、二十年間行使しないときは、消滅する。

 

第百六十八条(定期金債権の消滅時効)


(定期金債権の消滅時効)
第百六十八条 定期金の債権は、第一回の弁済期から二十年間行使しないときは、消滅する。最後の弁済期から十年間行使しないときも、同様とする。


2 定期金の債権者は、時効の中断の証拠を得るため、いつでも、その債務者に対して承認書の交付を求めることができる。

 

第百六十九条(定期給付債権の短期消滅時効)


(定期給付債権の短期消滅時効)
第百六十九条 年又はこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、消滅する。

 

第百七十条(三年の短期消滅時効)


(三年の短期消滅時効)
第百七十条 次に掲げる債権は、三年間行使しないときは、消滅する。ただし、第二号に掲げる債権の時効は、同号の工事が終了した時から起算する。

一 医師、助産師又は薬剤師の診療、助産又は調剤に関する債権

二 工事の設計、施工又は監理を業とする者の工事に関する債権

 

第百七十一条


第百七十一条 弁護士又は弁護士法人は事件が終了した時から、公証人はその職務を執行した時から三年を経過したときは、その職務に関して受け取った書類について、その責任を免れる。

 

第百七十二条(二年の短期消滅時効)


(二年の短期消滅時効)
第百七十二条 弁護士、弁護士法人又は公証人の職務に関する債権は、その原因となった事件が終了した時から二年間行使しないときは、消滅する。


2 前項の規定にかかわらず、同項の事件中の各事項が終了した時から五年を経過したときは、同項の期間内であっても、その事項に関する債権は、消滅する。

 

第百七十三条


第百七十三条 次に掲げる債権は、二年間行使しないときは、消滅する。

一 生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権

二 自己の技能を用い、注文を受けて、物を製作し又は自己の仕事場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に関する債権

三 学芸又は技能の教育を行う者が生徒の教育、衣食又は寄宿の代価について有する債権

 

第百七十四条(一年の短期消滅時効)


(一年の短期消滅時効)
第百七十四条 次に掲げる債権は、一年間行使しないときは、消滅する。

一 月又はこれより短い時期によって定めた使用人の給料に係る債権

二 自己の労力の提供又は演芸を業とする者の報酬又はその供給した物の代価に係る債権

三 運送賃に係る債権

四 旅館、料理店、飲食店、貸席又は娯楽場の宿泊料、飲食料、席料、入場料、消費物の代価又は立替金に係る債権

五 動産の損料に係る債権

 

第百七十四条の二(判決で確定した権利の消滅時効)


(判決で確定した権利の消滅時効)
第百七十四条の二 確定判決によって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。裁判上の和解、調停その他確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利についても、同様とする。
2 前項の規定は、確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用しない。

 

 

出典:e-Govウェブサイト(https://www.e-gov.go.jp
「民法」(総務省)(http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=129AC0000000089 )を加工して作成)を加工して作成)を加工して作成)を加工して作成


参考文献
公益財団法人 マンション管理センター.平成30年度版 マンション管理の知識.(株)住宅新報出版,2018,978p
高橋文雄 .2018年度版 これだけ!マンション管理士 試験対策ノート.(株)建築資料研究社,2018,513p