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マンション標準管理規約(単棟型) 第7章 会計

第七章会計は第五十六条から第六十五条まで。

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マンション標準管理規約(単棟型)

◯◯マンション管理規約

第7章 会計

 

 

 

 

第五十六条(会計年度)


(会計年度)
第56条 管理組合の会計年度は、毎年○月○日から翌年○月○日までとする。

 

管理組合の会計年度は、毎年○月○日から翌年○月○日までの一年間

 

 

第五十七条(管理組合の収入及び支出)


(管理組合の収入及び支出)
第57条 管理組合の会計における収入は、第25条に定める管理費等及び第29条に定める使用料によるものとし、その支出第27条から第29 条に定めるところにより諸費用に充当する。

 

管理組合の会計における収入は、管理費、修繕積立金及び使用料である。

管理費と修繕積立金を区分して経理する。

収入は経費等の性格に対応して支出される。

 

 

第五十八条(収支予算の作成及び変更)

 

(収支予算の作成及び変更)

第58条 理事長は、毎会計年度の収支予算案を通常総会に提出し、その承認を得なければならない。

 

収支予算を変更しようとするときは、理事長は、その案を臨時総会に提出し、その承認を得なければならない。

 

3 理事長は、第56条に定める会計年度の開始後、第1項に定める承認を得るまでの間に、以下の各号に掲げる経費の支出が必要となった場合には、理事会の承認を得てその支出を行うことができる。

第27条に定める通常の管理に要する経費のうち、経常的であり、かつ、第1項の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの

二 総会の承認を得て実施している長期の施工期間を要する工事に係る経費であって、第1項の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるもの

 

4 前項の規定に基づき行った支出は、第1項の規定により収支予算案の承認を得たときは、当該収支予算案による支出とみなす。

 

5 理事会が第54条第1項第十号の決議をした場合には、理事長は、同条第2項の決議に基づき、その支出を行うことができる。

 

理事長は、第21条第6項の規定に基づき、敷地及び共用部分等の保存行為を行う場合には、そのために必要な支出を行うことができる。

 

コメント

第58条関係

① 通常総会は、第42条第3項で新会計年度開始以後2か月以内に招集することとしているため、新会計年度開始後、予算案の承認を得るまでに一定の期間を要することが通常である。第3項及び第4項の規定は、このような期間において支出することがやむを得ない経費についての取扱いを明確化することにより、迅速かつ機動的な業務の執行を確保するものである。 なお、第4項の規定については、公益法人における実務運用を参考として、 手続の簡素化・合理化を図ったものである。

② 第3項第一号に定める経費とは、第27条各号に定める経費のうち、経常的であり、かつ、第1項の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるものであることから、前年の会計年度における同経費の支出額のおよその範囲内であることが必要である。

③ 第3項第二号に定める経費とは、総会の承認を得て実施している工事で あって、その工事の性質上、施工期間が長期となり、二つの会計年度を跨ってしまうことがやむを得ないものであり、総会の承認を得た会計年度と異なる会計年度の予算として支出する必要があるものであって、かつ、第1項の承認を得る前に支出することがやむを得ないと認められるものであることが必要である。

④ 第5項は、第54条第2項の決議に基づき、理事長が支出を行うことができることについて定めるものである。 ⑤ 第6項は、第21条第6項の規定に基づき、災害等の緊急時において敷地及び共用部分等の保存行為を行う場合に、理事長が支出を行うことができることについて定めるものである。  

 

 

第五十九条(会計報告)

 
(会計報告)
第59条 理事長は、毎会計年度の収支決算案を監事の会計監査を経て、通常総会に報告し、その承認を得なければならない。

 

 

第六十条(管理費等の徴収)

 


(管理費等の徴収)

第60条 管理組合は、第25条に定める管理費等及び第29条に定める使用料について、組合員が各自開設する預金口座から口座振替の方法により第62条に定める口座に受け入れることとし、当月分は別に定める徴収日までに一括して徴収する。ただし、臨時に要する費用として特別に徴収する場合には、別に定めるところによる。

 

2 組合員が前項の期日までに納付すべき金額を納付しない場合には、管理組合は、その未払金額について、年利◯%の遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することができる。

 

3 管理組合は、納付すべき金額を納付しない組合員に対し、督促を行うなど、必要な措置を講ずるものとする。

 

4 理事長は、未納の管理費等及び使用料の請求に関して、理事会の決議により、管理組合を代表して、訴訟その他法的措置を追行することができる。

 

5 第2項に基づき請求した遅延損害金、弁護士費用並びに督促及び徴収の諸費用に相当する収納金は、第27条に定める費用に充当する。

 

6 組合員は、納付した管理費等及び使用料について、その返還請求又は分割請求をすることができない

 

コメント

第60条関係

① 管理費等に関し、組合員が各自開設する預金口座から管理組合の口座に受け入れる旨を規定する第1項の規定は、マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則(平成13年国土交通省令第110号。以下「適 正化法施行規則」という。)第87条第2項第一号イの方法(収納口座の 名義人を管理組合又は管理者とする場合に限る。)又は同号ハの方法を前提とした規定であり、これ以外の方法をとる場合には、その実状にあった規定とする必要がある。その際、管理費等の管理をマンション管理業者に 委託する場合には、適正化法施行規則第87条第2項に定める方法に則した管理方法とする必要がある。

② 徴収日を別に定めることとしているのは、管理業者や口座(金融機関) の変更等に伴う納付期日の変更に円滑に対応できるようにするためである。

③ 管理費等の確実な徴収は、管理組合がマンションの適正な管理を行う上での根幹的な事項である。管理費等の滞納は、管理組合の会計に悪影響を及ぼすのはもちろんのこと、他の区分所有者への負担転嫁等の弊害もあることから、滞納された管理費等の回収は極めて重要であり、管理費等の滞納者に対する必要な措置を講じることは、管理組合(理事長)の最も重要な職務の一つであるといえる。管理組合が滞納者に対してとり得る各種の措置について段階的にまとめたフローチャート及びその解説を別添3に掲 げたので、実務の参考とされたい。

④ 滞納管理費等に係る遅延損害金の利率の水準については、管理費等は、 マンションの日々の維持管理のために必要不可欠なものであり、その滞納はマンションの資産価値や居住環境に影響し得ること、管理組合による滞納管理費等の回収は、専門的な知識・ノウハウを有し大数の法則が働く金融機関等の事業者による債権回収とは違い、手間や時間コストなどの回収コストが膨大となり得ること等から、利息制限法や消費者契約法等における遅延損害金利率よりも高く設定することも考えられる。

督促及び徴収に要する費用とは、次のような費用である。

ア)配達証明付内容証明郵便による督促は、郵便代の実費及び事務手数料

イ)支払督促申立その他の法的措置については、それに伴う印紙代、予納切手代、その他の実費

ウ)その他督促及び徴収に要した費用

⑥ 第2項では、遅延損害金と、違約金としての弁護士費用並びに督促及び 徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することが「できる」 と規定しているが、これらについては、請求しないことについて合理的事情がある場合を除き、請求すべきものと考えられる。

 

管理費等の滞納は民法で規定している債務不履行にあたるので、規定がない場合でも、法定利率である年5%の遅延損害金を請求できる。

 

   

 

第六十一条(管理費等の過不足)


(管理費等の過不足)
第61条 収支決算の結果、管理費に余剰を生じた場合には、その余剰は翌年度における管理費に充当する。


2 管理費等に不足を生じた場合には、管理組合は組合員に対して第25条第2項に定める管理費等の負担割合により、その都度必要な金額の負担を求めることができる。

 

 

第六十二条(預金口座の開設)


(預金口座の開設)
第62条 管理組合は、会計業務を遂行するため、管理組合の預金口座を開するものとする。

 

コメント

第62条関係

預金口座に係る印鑑等の保管にあたっては、施錠の可能な場所(金庫等) に保管し、印鑑の保管と鍵の保管を理事長と副理事長に分けるなど、適切な取扱い方法を検討し、その取扱いについて総会の承認を得て細則等に定めておくことが望ましい。

 

 

第六十三条(借入れ)


(借入れ)
第63条 管理組合は、第28条第1項に定める業務を行うため必要な範囲において、借入れをすることができる。

 

修繕積立金に限定しており、管理費で行う業務の借入れはこの条文に該当しない

 

〔※管理組合における電磁的方法の利用状況に応じて、

次のように規定〕

 

 第六十四条(帳票類の作成、保管)

 

(ア)電磁的方法が利用可能ではない場合

(帳票類等の作成、保管)

第64条 理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。

 

2 理事長は、第32条第三号の長期修繕計画書、同条第五号の設計図書び同条第六号の修繕等の履歴情報を保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。

 

3 理事長は、第49条第3項(第53条第4項において準用される場合を含む。)、本条第1項及び第2項並びに第72条第2項及び第4項の規定により閲覧の対象とされる管理組合の財務・管理に関する情報については、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求に基づき、当該請求をした者が求める情報を記入した書面を交付することができる。この場合において、理事長は、交付の相手方にその費用を負担させることができる。

 

 

(イ)電磁的方法が利用可能な場合

 

(帳票類等の作成、保管)

第64条 理事長は、会計帳簿、什器備品台帳、組合員名簿及びその他の帳票類を、書面又は電磁的記録により作成して保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面又は電磁的方法による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。

 

2 理事長は、第32条第三号の長期修繕計画書、同条第五号の設計図書及び同条第六号の修繕等の履歴情報を、書面又は電磁的記録により保管し、組合員又は利害関係人の理由を付した書面又は電磁的方法による請求があったときは、これらを閲覧させなければならない。この場合において、閲覧につき、相当の日時、場所等を指定することができる。

 

3 理事長は、第49条第5項(第53条第4項において準用される場合を含む。)、本条第1項及び第2項並びに第72条第2項及び第4項の規定により閲覧の対象とされる管理組合の財務・管理に関する情報については、組合員又は利害関係人の理由を付した書面又は電磁的方法による請求に基づき、当該請求をした者が求める情報を記入した書面を交付し、又は 当該書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。こ の場合において、理事長は、交付の相手方にその費用を負担させることができる。

 

4 電磁的記録により作成された書類等の閲覧については、第49条第5項に定める議事録の閲覧に関する規定を準用する。

 

 

コメント

第64条関係

① 第1項から第3項までにおける「利害関係人」については、コメント第49条関係①を参照のこと。

② 作成、保管すべき帳票類としては、第64条第1項に規定するものの他、 領収書や請求書、管理委託契約書、修繕工事請負契約書、駐車場使用契約書、保険証券などがある。

③ 組合員名簿の閲覧等に際しては、組合員のプライバシーに留意する必要がある。

④ 第2項は、第32条で管理組合の業務として掲げられている各種書類等の管理について、第1項の帳票類と同様に、その保管及び閲覧に関する業務を理事長が行うことを明確にしたものである。なお、理事長は、理事長の責めに帰すべき事由により第1項の帳票類又は第2項に掲げる書類が適切に保管されなかったため、当該帳票類又は書類を再作成することを要した場合には、その費用を負担する等の責任を負うものである。

⑤ 第3項は、組合員又は利害関係人が、管理組合に対し、第49条第3項 (第53条第4項において準用される場合を含む。)、本条第1項、第2項並びに第72条第2項及び第4項の閲覧ではなく、管理組合の財務・管理に関する情報のうち、自らが必要とする特定の情報のみを記入した書面の交付を求めることが行われている実態を踏まえ、これに対応する規定を定めるものである。書面交付の対象とする情報としては、大規模修繕工事等の実施状況、今後の実施予定、その裏付けとなる修繕積立金の積立ての状況(マンション全体の滞納の状況も含む)や、ペットの飼育制限、楽器使用制限、駐車場や駐輪場の空き状況等が考えられるが、その範囲については、交付の相手方に求める費用等とあわせ、細則で定めておくことが望ましい。別添4は、住戸の売却予定者(組合員)から依頼を受けた宅地建物取引業者が当面必要とすると考えられる情報を提供するための様式の一例に記載のある主な情報項目であり、上述の細則を定める場合の参考とされたい。

⑥ 第3項に規定する管理組合の財務・管理に関する情報については、これらの情報が外部に開示されることにより、優良な管理が行われているマンションほど市場での評価が高まることや、こうした評価を通じて管理の適正化が促されることが想定されることから、書面交付の対象者に住戸の購入予定者を含めて規定することも考えられる。一方で、開示には防犯上の懸念等もあることから、各マンションの個別の事情を踏まえて検討することが必要である。

 

 

第六十五条(消滅時の財産の清算)


(消滅時の財産の清算)
第65条 管理組合が消滅する場合、その残余財産については、第10条定める各区分所有者の共用部分の共有持分割合に応じて各区分所有者に帰属するものとする。

 

 

第65条関係

共有持分割合と修繕積立金等の負担割合が大きく異なる場合は負担割合に応じた清算とするなど、マンションの実態に応じて衡平な清算の規定を定めることが望ましい。

 

 

出典:国土交通省ホームページ (http://www.mlit.go.jp/) 
「標準管理規約(単棟型)及び同コメント (PDF)(最終改正 平成29年8月29日 国住マ第33号)」(国土交通省) (http://www.mlit.go.jp/common/001202416.pdf)を加工して作成

 

参考文献

公益財団法人 マンション管理センター.平成30年度版 マンション管理の知識.(株)住宅新報出版,2018,978p

高橋文雄 .2018年度版 これだけ!マンション管理士 試験対策ノート.(株)建築資料研究社,2018,513p