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マンション標準管理規約(単棟型)第6章 管理組合 第1節 組合員 第2節 管理組合の業務 第3節 役員

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マンション標準管理規約(単棟型)

◯◯マンション管理規約

第6章 管理組合

 

 

 


第1節 組合員

 

 

第三十条(組合員の資格)


(組合員の資格)
第30条 組合員の資格は、区分所有者となったときに取得し、区分所有者でなくなったときに喪失する。

 

 

第三十一条(届出義務)


(届出義務)
第31条 新たに組合員の資格を取得し又は喪失した者は、直ちにその旨を書面により管理組合に届け出なければならない。

 

 

第2節 管理組合の業務

 

 

第三十二条(業務)

 

(業務)
第32条 管理組合は、建物並びにその敷地及び附属施設の管理のめ次の各号に掲げる業務を行う。


一 管理組合が管理する敷地及び共用部分等(以下本条及び第48条において「組合管理部分」という。)の保安、保全、保守、清掃、消毒及びごみ処理

二 組合管理部分の修繕


長期修繕計画の作成又は変更に関する業務及び長期修繕計画書の管理

 

四 建替え等に係る合意形成に必要となる事項の調査に関する業務


五 適正化法第103条第1項に定める、宅地建物取引業者から交付を受けた設計図書の管理


修繕等の履歴情報の整理及び管理等


共用部分等に係る火災保険、地震保険その他の損害保険に関する業務

 

八 区分所有者が管理する専用使用部分について管理組合が行うことが適当であると認められる管理行為


九 敷地及び共用部分等の変更及び運営


十 修繕積立金の運用


十一 官公署、町内会等との渉外業務


十二 マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務


十三 広報及び連絡業務


十四 管理組合の消滅時における残余財産の清算


十五 その他建物並びにその敷地及び附属施設の管理に関する業務

 

コメント

第32条関係
一、建物を長期にわたって良好に維持・管理していくためには、一定の年数の経過ごとに計画的に修繕を行っていくことが必要であり、その対象となる建物の部分、修繕時期、必要となる費用等について、あらかじめ長期修繕計画として定め、区分所有者の間で合意しておくことは、円滑な修繕の実施のために重要である。


二、長期修繕計画の内容としては次のようなものが最低限必要である。


1 計画期間が25年程度以上であること。なお、新築時においては、計画期間を30年程度にすると、修繕のために必要な工事をほぼ網羅できることとなる。


2 計画修繕の対象となる工事として外壁補修、屋上防水、給排水管取替え、窓及び玄関扉等の開口部の改良等が掲げられ、各部位ごとに修繕周期、工事金額等が定められているものであること。


3 全体の工事金額が定められたものであること。 また、長期修繕計画の内容については定期的な(おおむね5年程度ごとに)見直しをすることが必要である。


3 長期修繕計画の作成又は変更及び修繕工事の実施の前提として、劣化診断(建物診断)を管理組合として併せて行う必要がある。


4 長期修繕計画の作成又は変更に要する経費及び長期修繕計画の作成等のための劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、管理組合の財産状態等に応じて管理費又は修繕積立金のどちらからでもできる。 ただし、修繕工事の前提としての劣化診断(建物診断)に要する経費の充当については、修繕工事の一環としての経費であることから、原則として修繕積立金から取り崩すこととなる。


5 管理組合が管理すべき設計図書は、適正化法第103条第1項に基づいて宅地建物取引業者から交付される竣工時の付近見取図、配置図、仕様書 (仕上げ表を含む。)、各階平面図、2面以上の立面図、断面図又は矩計 図、基礎伏図、各階床伏図、小屋伏図、構造詳細図及び構造計算書である。 ただし、同条は、適正化法の施行(平成13年8月1日)前に建設工事が完了した建物の分譲については適用されてないこととなっており、これに該当するマンションには上述の図書が交付されていない場合もある。
他方、建物の修繕に有用な書類としては、上述以外の設計関係書類(数量調書、竣工地積測量図等)、特定行政庁関係書類(建築確認通知書、日影協定書等)、消防関係書類、機械関係設備施設の関係書類、売買契約書 関係書類等がある。
このような各マンションの実態に応じて、具体的な図書を規約に記載することが望ましい。


6 修繕等の履歴情報とは、大規模修繕工事、計画修繕工事及び設備改修工事等の修繕の時期、箇所、費用及び工事施工者等や、設備の保守点検、建築基準法第12条第1項及び第3項の特殊建築物等の定期調査報告及び建築設備(昇降機を含む。)の定期検査報告、消防法第8条の2の2の防火対象物定期点検報告等の法定点検、耐震診断結果、石綿使用調査結果など、維持管理の情報であり、整理して後に参照できるよう管理しておくことが今後の修繕等を適切に実施するためにも有効な情報である。


7 管理組合が管理する書類等として、第三号に掲げる長期修繕計画書、第五号及び5に掲げる設計図書等、第六号及び6に掲げる修繕等の履歴情報が挙げられるが、具体的な保管や閲覧については、第64条第2項で規定するとおり、理事長の責任により行うこととする。その他に、理事長が保管する書類等としては、第49条第3項で定める総会議事録、第53条第4項の規定に基づき準用される第49条第3項で定める理事会議事録、第 64条及び第64条関係コメントに掲げる帳票類等、第72条で定める規約原本等が挙げられる。 このうち、総会議事録及び規約原本の保管は、区分所有法により管理者が保管することとされているものであり、この標準管理規約では理事長を管理者としていることから理事長が保管することとしている。


8 従来、第十五号に定める管理組合の業務として、「地域コミュニティに も配慮した居住者間のコミュニティ形成」が掲げられていたが、「コミュニティ」という用語の概念のあいまいさから拡大解釈の懸念があり、とりわけ、管理組合と自治会、町内会等とを混同することにより、自治会的な 活動への管理費の支出をめぐる意見対立やトラブル等が生じている実態もあった。一方、管理組合による従来の活動の中でいわゆるコミュニティ活動と称して行われていたもののうち、例えば、マンションやその周辺における美化や清掃、景観形成、防災・防犯活動、生活ルールの調整等で、その経費に見合ったマンションの資産価値の向上がもたらされる活動は、それが区分所有法第3条に定める管理組合の目的である「建物並びにその敷地及び附属施設の管理」の範囲内で行われる限りにおいて可能である。なお、これに該当しない活動であっても、管理組合の役員等である者が個人の資格で参画することは可能である。 以上を明確にするため、区分所有法第3条を引用し、第32条本文に「建物並びにその敷地及び附属施設の管理のため」を加え、第十五号を削除し、併せて、周辺と一体となって行われる各業務を再整理することとし、 従来第十二号に掲げていた「風紀、秩序及び安全の維持に関する業務」、 従来第十三号に掲げていた「防災に関する業務」及び「居住環境の維持及 び向上に関する業務」を、新たに第十二号において「マンション及び周辺の風紀、秩序及び安全の維持、防災並びに居住環境の維持及び向上に関する業務」と規定することとした。なお、改正の趣旨等の詳細については、 第27条関係2~4を参照のこと。


9 建替え等により消滅する管理組合は、管理費や修繕積立金等の残余財産を清算する必要がある。なお、清算の方法については、各マンションの実態に応じて規定を整備しておくことが望ましい。

 

 

 

第三十三条(業務の委託等)

 


(業務の委託等)
第33条 管理組合は、前条に定める業務の全部又は一部を、マンション管理業者(適正化法第2条第八号の「マンション管理業者」をいう。)等第三者に委託し、又は請け負わせて執行することができる。

 

コメント

第33条関係 第三者に委託する場合は、マンション標準管理委託契約書による。

 

 

 

第三十四条(専門的知識を有する者の活用)

 


(専門的知識を有する者の活用)
第34条 管理組合は、マンション管理士(適正化法第2条第五号の「マンション管理士」をいう。)その他マンション管理に関する各分野の専門的知識を有する者に対し、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、 相談したり、助言、指導その他の援助を求めたりすることができる。

 

 

第33条及び第34条関係
1 マンションは一つの建物を多くの人が区分して所有するという形態ゆえ、利用形態の混在による権利・利用関係の複雑さ、建物構造上の技術的判断の難しさなどを踏まえ、建物を維持していく上で区分所有者間の合意形成を進めることが必要である。このような中で、マンションを適切に維持、管理していくためには、法律や建築技術等の専門的知識が必要となることから、管理組合は、マンション管理業者等第三者に管理事務を委託したり、マンション管理士その他マンション管理に関する各分野の専門的知識を有する者に対し、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、相談したり、助言、指導その他の 援助を求めたりするなど、専門的分野にも適切に対応しつつ、マンション管理を適正に進めることが求められる。
なお、外部の専門家が直接管理組合の運営に携わる場合の考え方につい ては、全般関係3、別添1等を参照のこと。


2 管理組合が支援を受けることが有用な専門的知識を有する者としては、 マンション管理士のほか、マンションの権利・利用関係や建築技術に関する専門家である、弁護士、司法書士、建築士、行政書士、公認会計士、税理士等の国家資格取得者や、区分所有管理士、マンションリフォームマネジャー等の民間資格取得者などが考えられる。


3 専門的知識を有する者の活用の具体例としては、管理組合は、専門的知識を有する者に、管理規約改正原案の作成、管理組合における合意形成の調整に対する援助、建物や設備の劣化診断、安全性診断の実施の必要性についての助言、診断項目、内容の整理等を依頼することが考えられる。

 

 


第3節 役員

 

第三十五条(役員) 

 

(役員)

第35条 管理組合に次の役員を置く。

一 理事長

二 副理事長 ○名

三 会計担当理事 ○名

四 理事(理事長、副理事長、会計担当理事を含む。以下同じ。) ○名

五 監事 ○名


2 理事及び監事は、組合員のうちから、総会で選任する。

3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。

外部専門家を役員として選任できることとする場合

2 理事及び監事は、総会で選任する。

3 理事長、副理事長及び会計担当理事は、理事のうちから、理事会で選任する。

4 組合員以外の者から理事又は監事を選任する場合の選任方法については細則で定める

 

コメント
第35条関係
一、 管理組合は、建物、敷地等の管理を行うために区分所有者全員で構成される団体であることを踏まえ、役員の資格要件を、当該マンションへの居住の有無に関わりなく区分所有者であるという点に着目して、「組合員」 としているが、全般関係3で示したとおり、必要に応じて、マンション管理に係る専門知識を有する外部の専門家の選任も可能とするように当該要件を外すことも考えられる。この場合においては、「外部専門家を役員として選任できることとする場合」の第4項のように、選任方法について細則で定める旨の規定を置くことが考えられる。この場合の専門家としては、 マンション管理士のほか弁護士、建築士などで、一定の専門的知見を有する者が想定され、当該マンションの管理上の課題等に応じて適切な専門家を選任することが重要である。
なお、それぞれのマンションの実態に応じて、「○○マンションに現に居住する組合員」((注)平成23年改正前の標準管理規約における役員の資格要件)とするなど、居住要件を加えることも考えられる。


二、理事の員数については次のとおりとする。


1 おおむね10~15戸につき1名選出するものとする。


2 員数の範囲は、最低3名程度、最高20名程度とし、○~○名という枠により定めることもできる。


3 200戸を超え、役員数が20名を超えるような大規模マンションでは、理事会のみで、実質的検討を行うのが難しくなるので、理事会の中に部会を設け、各部会に理事会の業務を分担して、実質的な検討を行うような、 複層的な組織構成、役員の体制を検討する必要がある。
この場合、理事会の運営方針を決めるため、理事長、副理事長(各部の部長と兼任するような組織構成が望ましい。)による幹部会を設けることも有効である。なお、理事会運営細則を別途定め、部会を設ける場合は、 理事会の決議事項につき決定するのは、あくまで、理事全員による理事会であることを明確にする必要がある。


4 本標準管理規約における管理組合は、権利能力なき社団であることを想定しているが(コメント第6条関係参照)、役員として意思決定を行えるのは自然人であり、法人そのものは役員になることができないと解すべきである。したがって、法人が区分所有する専有部分があるマンションにおいて、法人関係者が役員になる場合には、管理組合役員の任務に当たることを当該法人の職務命令として受けた者等される。外部専門家として役員を選任する場合であって、法人、団体等から派遣を受けるときも、同様に、当該法人、団体等から指定された者(自然人)を選任することが一般的に想定される。なお、法人の役職員が役員になった場合においては、特に利益相反取引について注意が必要である (第37条の2関係参照)。

 

5 第4項の選任方法に関する細則の内容としては、選任の対象となる外部の専門家の要件や選任の具体的な手続等を想定している。なお、6及び第 36条の2関係2について併せて参照のこと。


6 外部の専門家を役員として選任する場合には、その者が期待された能力等を発揮して管理の適正化、財産的価値の最大化を実現しているか監視・ 監督する仕組みが必要である。このための一方策として、法人・団体から外部の専門家の派遣を受ける場合には、派遣元の法人・団体等による報告徴収や業務監査又は外部監査が行われることを選任の要件として、第4項の細則において定めることが考えられる。

 

 

 

第三十六条(役員の任期)

 

(役員の任期)
第36条 役員の任期は○年とする。ただし、再任を妨げない。


2 補欠の役員の任期は、前任者の残任期間とする。


3 任期の満了又は辞任によって退任する役員は、後任の役員が就任するまでの間引き続きその職務を行う


4 役員が組合員でなくなった場合には、その役員はその地位を失う


外部専門家を役員として選任できることとする場合


4 選任(再任を除く。)の時に組合員であった役員が組合員でなくなっ た場合には、その役員はその地位を失う。

 

コメント

第36条関係

1 役員の任期については、実情に応じて1~2年で設定することとし、選任に当たっては、その就任日及び任期の期限を明確にする。

2 業務の継続性を重視すれば、役員は半数改選とするのもよい。この場合には、役員の任期は2年とする。

3 第4項は、組合員から選任された役員が組合員でなくなった場合の役員の地位についての規定である。 例えば、外部の専門家として選任された役員は、専門家としての地位に着目して役員に選任されたものであるから、当該役員が役員に選任された後に組合員となった場合にまで、組合員でなくなれば当然に役員としての地位も失うとするのは相当でないためである。

4 役員が任期途中で欠けた場合、総会の決議により新たな役員を選任することが可能であるが、外部の専門家の役員就任の可能性や災害時等緊急時の迅速な対応の必要性を踏まえると、規約において、あらかじめ補欠を定めておくことができる旨規定するなど、補欠の役員の選任方法について定めておくことが望ましい。また、組合員である役員が転出、死亡その他の事情により任期途中で欠けた場合には、組合員から補欠の役員を理事会の決議で選任することができると、規約に規定することもできる。 なお、理事や監事の員数を、○~○名という枠により定めている場合には、その下限の員数を満たさなくなったときに、補欠を選任することが必要となる。

 

第三十六条(役員の欠格条項)

 

(役員の欠格条項)
第36条の2 次の各号のいずれかに該当する者は、役員となることができない。


成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの


禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者


暴力団員等(暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者をいう。)

 

コメント

第36条の2関係
1 選択肢として、役員の資格を組合員に限定することを改め外部の専門家を役員に選任することができるようにしたことを踏まえ、役員の欠格条項を定めるものである。なお、暴力団員等の範囲については、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)を参考にした。


2 外部の専門家からの役員の選任について、第35条第4項として細則で選任方法を定めることとする場合、本条に定めるほか、細則において、次のような役員の欠格条項を定めることとする。


ア 個人の専門家の場合
・ マンション管理に関する各分野の専門的知識を有する者から役員を選任しようとする場合にあっては、マンション管理士の登録の取消し 又は当該分野に係る資格についてこれと同様の処分を受けた者

イ 法人から専門家の派遣を受ける場合(アに該当する者に加えて) 次のいずれかに該当する法人から派遣される役職員は、外部専門家として役員となることができない。
・ 銀行取引停止処分を受けている法人
・ 管理業者の登録の取消しを受けた法人

 

 

第三十七条(役員の誠実義務等)

 

(役員の誠実義務等)
第37条 役員は、法令、規約及び使用細則その他細則(以下「使用細則等」という。)並びに総会及び理事会の決議に従い、組合員のため、誠実にその職務を遂行するものとする。


2 役員は、別に定めるところにより、役員としての活動に応ずる必要経費の支払と報酬を受けることができる。

 

コメント

第37条関係

(第1項関係)
1 役員は、管理組合の財産の毀損の防止及びそのために必要な措置を講じるよう努めるものとする。特に、外部の専門家の役員就任に当たっては、 判断・執行の誤りによる財産毀損に係る賠償責任保険への加入に努め、保険限度額の充実等にも努めるべきである。さらに、故意・重過失による財産毀損は、保険の対象外のため、財産的基礎の充実による自社(者)補償 や積立て等による団体補償の検討等にも取り組むよう努めるべきである。

(第2項関係)

2 マンションの高経年化、区分所有者の高齢化、住戸の賃貸化・空室化等の進行による管理の困難化やマンションの高層化・大規模化等による管理の高度化・複雑化が進んでおり、マンションの円滑な管理のために、外部の専門家の役員就任も考えられるところである。この場合、当該役員に対 して、必要経費とは別に、理事会での協議・意見交換の参画等に伴う負担と、実際の業務の困難性や専門的技能・能力等による寄与などを総合的に考慮して、報酬を支払うことも考えられる。その際、理事会の議事録の閲 覧(第53条第4項)の活用等により、役員の業務の状況を適切に認知・ 確認することが望ましい。

 

第三十七条の二(利益相反取引の防止)

 

(利益相反取引の防止)
第37条の2 役員は、次に掲げる場合には、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。


役員が自己又は第三者のために管理組合と取引をしようとするとき。

二 管理組合が役員以外の者との間において管理組合と当該役員との利益が相反する取引をしようとするとき。

 

コメント
第37条の2関係

役員は、マンションの資産価値の保全に努めなければならず、管理組合の利益を犠牲にして自己又は第三者の利益を図ることがあってはならない。とりわけ、外部の専門家の役員就任を可能とする選択肢を設けたことに伴い、 このようなおそれのある取引に対する規制の必要性が高くなっている。そこで、役員が、利益相反取引(直接取引又は間接取引)を行おうとする場合には、理事会で当該取引につき重要な事実を開示し、承認を受けなければならないことを定めるものである。 なお、同様の趣旨により、理事会の決議に特別の利害関係を有する理事は、 その議決に加わることができない旨を規定する(第53条第3項)とともに、 管理組合と理事長との利益が相反する事項については、監事又は当該理事以外の理事が管理組合を代表する旨を規定する(第38条第6項)こととしている。

 

 

第三十八条(理事長)

 

(理事長)
第38条 理事長は、管理組合を代表し、その業務を統括するほか、次の各号に掲げる業務を遂行する。
規約、使用細則等又は総会若しくは理事会の決議により、理事長の職務として定められた事項
理事会の承認を得て、職員を採用し、又は解雇すること。


2 理事長は、区分所有法に定める管理者とする。


3 理事長は、通常総会において、組合員に対し、前会計年度における管理組合の業務の執行に関する報告をしなければならない。


4 理事長は、○か月に1回以上、職務の執行の状況を理事会に報告しなければならない。


5 理事長は、理事会の承認を受けて、他の理事に、その職務の一部を委任することができる。


6 管理組合と理事長との利益が相反する事項については、理事長は、代表権を有しない。この場合においては、監事又は理事長以外の理事が管理組合を代表する。

 

 

コメント 

第38条関係

例えば植栽による日照障害などの日常生活のトラブルの対応において、 日照障害における植栽の伐採などの重要な問題に関しては総会の決議により決定することが望ましい。

 

 

 

第三十九条(副理事長)

 

(副理事長)
第39条 副理事長は、理事長を補佐し、理事長に事故があるときは、その職務を代理し、理事長が欠けたときは、その職務を行う。 

 

 

第四十条(理事)

 

(理事) 第40条 理事は、理事会を構成し、理事会の定めるところに従い、管理組合の業務を担当する。

2 理事は、管理組合に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを 発見したときは、直ちに、当該事実を監事に報告しなければならない。

3 会計担当理事は、管理費等の収納、保管、運用、支出等の会計業務を行 う。

 

コメント

第40条関係 (第2項関係) 理事が、管理組合に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見した場合、その事実を監事に報告する義務を課すことで、監事による監査の実施を容易にするために規定したものである。

 

 

第四十一条(監事)

 

(監事) 第41条 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況を監査し、その結果を総会に報告しなければならない。

2 監事は、いつでも、理事及び第38条第1項第二号に規定する職員に対して業務の報告を求め、又は業務及び財産の状況の調査をすることができる。

3 監事は、管理組合の業務の執行及び財産の状況について不正があると認めるときは、臨時総会を招集することができる。

4 監事は、理事会に出席し、必要があると認めるときは、意見を述べなければならない。

5 監事は、理事が不正の行為をし、若しくは当該行為をするおそれがあると認めるとき、又は法令、規約、使用細則等、総会の決議若しくは理事会の決議に違反する事実若しくは著しく不当な事実があると認めるときは、 遅滞なく、その旨を理事会に報告しなければならない。

6 監事は、前項に規定する場合において、必要があると認めるときは、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる。

7 前項の規定による請求があった日から5日以内に、その請求があった日から2週間以内の日を理事会の日とする理事会の招集の通知が発せられない場合は、その請求をした監事は、理事会を招集することができる。

 

コメント

第41条関係

① 第1項では、監事の基本的な職務内容について定める。これには、理事が総会に提出しようとする議案を調査し、その調査の結果、法令又は規約に違反し、又は著しく不当な事項があると認めるときの総会への報告が含まれる。また、第2項は、第1項の規定を受けて、具体的な報告請求権調査権について定めるものである。

② 第4項は、従来「できる規定」として定めていたものであるが、監事による監査機能の強化のため、理事会への出席義務を課すとともに、必要があるときは、意見を述べなければならないとしたものである。ただし、理事会は第52条に規定する招集手続を経た上で、第53条第1項の要件を満たせば開くことが可能であり、監事が出席しなかったことは、理事会における決議等の有効性には影響しない

③ 第5項により監事から理事会への報告が行われた場合には、理事会は、 当該事実について検討することが必要である。第5項に定める報告義務を履行するために必要な場合には、監事は、理事長に対し、理事会の招集を請求することができる旨を定めたのが、第6項である。さらに、第7項で、理事会の確実な開催を確保することとしている。

 

監事は理事会に出席して意見陳述ができるが、理事会の構成員ではないため、理事会における議決権はない。また、監事に事故があった場合でも、監事の代理人を理事会で選任することはできず、総会で選任しなければならない。

 

 

出典:国土交通省ホームページ (http://www.mlit.go.jp/) 
「標準管理規約(単棟型)及び同コメント (PDF)(最終改正 平成29年8月29日 国住マ第33号)」(国土交通省) (http://www.mlit.go.jp/common/001202416.pdf)を加工して作成

 

参考文献

公益財団法人 マンション管理センター.平成30年度版 マンション管理の知識.(株)住宅新報出版,2018,978p

高橋文雄 .2018年度版 これだけ!マンション管理士 試験対策ノート.(株)建築資料研究社,2018,513p